英政府、貿易一括窓口創設のパブリックコメントを開始

(英国)

ロンドン発

2022年07月29日

英国内閣府は721日、貿易一括窓口(Single Trade Window)を創設するためのパブリックコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの募集を開始した。貿易一括窓口とは、英政府が202012月に公表した「2025年英国国境戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」において、世界で最も効率的な国境を実現するために提案されているプログラムの1つだ。現状、貿易事業者は通関時に求められる情報の種類に応じて、複数のポータルから複数の政府当局に必要な情報や書類等を提出しているが、貿易一括窓口により、全ての情報を単一の窓口から政府に提出することが可能となる。貿易一括窓口の実現には政府によるデータの収集、利用、共有などに関する法改正が必要になるため、今回のパブリックコメントでは以下の4つの分野を対象としている。

  • 入力済みデータの再入力を省略できる仕組み(prepopulation)と同一申告書への複数事業者による入力(multi-filing)をサポートするための、政府内での情報の収集、利用、共有
  • 政府によるサプライチェーン情報の可視化と利用
  • 適切な情報保護措置を前提とした他の国・地域との特定情報の共有を通じた貿易の促進
  • 貿易一括窓口を、国境での事務処理手続きに必要なデータを政府が収集する唯一の入り口とする、適切な時期での移行とその方法

今回のパブリックコメントに衛生植物検疫と安全セキュリティー宣言の運用制度は含まれていないが、これらの分野は2022年秋に公表が予定されている「目標運用モデル(Target Operating Model)」の策定作業として、別途検討が進められている。

(飯田俊平)

(英国)

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