米石油サービス大手シュルンベルジェとルクセンブルクのサブシー7、海底開発の連携継続合意

(米国、ルクセンブルク)

ヒューストン発

2022年06月13日

米国石油サービス大手シュルンベルジェ(本社:テキサス州ヒューストン)と、ルクセンブルクの海洋エンジニアリング大手サブシー7(本社:ルクセンブルク)は6月10日、両社が共同で海底での石油ガス開発を実施するための「海底統合アライアンス」を7年間更新する契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

両社は、海洋技術開発のコンソーシアム「ディープスター」(注1)のアソシエートメンバーとなっており、上流企業である石油大手に向けたサービスを提供している。

両社はこれまでにも同アライアンスを通じて、海底生産システム(SPS)、海底パイプライン(SURF)など(注2)を組み合わせた、海底開発での統合的なソリューションを共同設計、開発、提供してきた。近年ではオーストラリア、ブラジル、アフリカ、トルコでの大規模な新規フィールドプロジェクトや、メキシコ湾、ノルウェーでの重要なタイバック(注3)作業を受注している。

シュルンベルジェのコアサービス・機器部門エクスクルーシブ・バイスプレジデント(EVP)のアブデラ・メラド氏は「これまでに世界各地で12のプロジェクトと130以上の初期エンジニアリング調査を受注し、われわれの業界最先端の技術革新力と専門知識で、顧客が海底開発から最大限の価値を得られるよう支援してきた。今後も支援し続ける」と述べている。

なお、シュルンベルジェは2022年4月4日、英国のシンテラ(本社:ブリストル)と、石油ガス井やパイプライン監視に用いる新たな光ファイバーセンシングソリューションを共同開発する契約を締結したことを発表している(2022年4月8日記事参照)。

(注1)ディープスターとは、上流企業と呼ばれるシェブロン(米国)、シェル(英国)、ペトロブラス(ブラジル)など、世界中の海洋石油・天然ガスの探査・開発・生産を担う企業や、これら企業に製品・サービスを提供する企業、大学、研究機関などから成る海洋技術開発のコンソーシアム。1991年設立。

(注2)海底開発では、高温高圧という過酷な状況下で石油ガスを生産し、生産された石油ガスを海底で安全に制御しながらパイプラインで洋上まで運ぶといった極めて高度な技術力が求められる。

(注3)石油ガス生産に新たな浮体構造物を用いず、海底の油井口から海底パイプラインをつなぐ方式。

(沖本憲司)

(米国、ルクセンブルク)

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