米契約書の不可抗力条項に関する意義と留意点を解説、ジェトロ報告書

(米国、日本)

米州課

2022年06月30日

ジェトロは6月30日、米国でのビジネスに関連して、想定不可能な事象に対処するため契約書に盛り込む不可抗力(フォースマジュール)条項についてまとめた報告書「米国におけるフォースマジュール条項-実務上の意義および留意点-」を公表した。同調査レポートは、米国へ進出する、または進出済みの日本企業を主な対象として、(1)米国ビジネスにおけるフォースマジュール条項の位置付け、(2)フォースマジュール条項の適用の判断基準とサンプル条項、(3)具体的なケースにおけるフォースマジュール条項の適用可否(州・自治体による自宅待機命令の発令、新型コロナウイルスの集団感染の発生、港湾の混乱による納品遅延など)、(4)実務上の対応、について解説を行っている。

米国には、契約解釈の特徴として、裁判所は契約書と矛盾するような他の証拠を考慮しないという「口頭証拠排除原則」や、契約書外の事情は考慮しないという「フォー・コーナーズ・ルール」が存在する。そのため、例えば契約書にフォースマジュール条項を設定していた場合でも、そこに明記されていない事象には、同条項を適用できない可能性が高いため、フォースマジュール事由を漏れなく列挙する必要がある。今回の調査レポートは、当該事由の設定やフォースマジュール条項の適用可否などに関して、具体的な事例を交えて説明を加えている。

また、調査レポートの中では、フォースマジュール条項に関する実務上の留意点も列挙されている。同条項の適用を主張する側と主張される側といった立場の違いによって実務上の対応方法が異なり、主張する側の当事者に対しては、チェック項目を示して留意点を記述している。

フォースマジュール条項は、契約の当事者が合意する条項の1つに過ぎず、その効果には限界があるものの、契約書に盛り込むことで、当事者はその後の交渉材料の1つとして利用することができる。米国内の事業環境が変化する不安定な状況下にあって、今回公表した調査レポートを通じ、自社の利益を守る一手段として、フォースマジュール条項の意義と留意点について理解を深めてもらいたい。

(片岡一生)

(米国、日本)

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