中国衛生当局、隔離期間の延長など9つの禁止事項を発表

(中国)

北京発

2022年06月06日

中国国家衛生健康委員会は6月5日、現在中国の新型コロナウイルス感染状況は全体として安定的に減少する傾向を示しており、全国の新型コロナウイルス感染者は6日連続で100人以下となったと紹介した。各地域の状況については、上海は感染の再拡大を断固防ぎ、北京は感染チェーンの拡大をさらに阻止する必要があると指摘した。

その上で、「外防輸入、内防反弾(国外からのウイルスの流入を防ぎ、国内において感染の再拡大を防ぐ)」という全体戦略と「ダイナミックゼロコロナ」(注)という全体方針を揺らぐことなく堅持するという前提の下、各地方政府に対して、感染拡大の防止・抑制と経済および社会の発展をより高いレベルで統合し、防疫措置の科学性、精確性、的確性をいっそう高め、防疫措置の単純化、画一化や追加措置を加えることなどを断固防止し、以下の「9つの禁止事項」を徹底するよう求めた。

  1. 外出制限の範囲を中・高リスク地区以外の地区へ恣意的に広げることを禁止する。
  2. 低リスク地区からの来訪者に対して、強制帰還や隔離などの制限措置をとることを禁止する。
  3. 中・高リスク地区および封鎖管理区域の封鎖管理期間を恣意(しい)的に延長することを禁止する。
  4. 隔離や封鎖管理措置を実施する対象となるリスク人員の範囲を恣意的に広げることを禁止する。
  5. リスク人員の隔離および健康観察期間を恣意的に延長することを禁止する。
  6. 感染拡大防止・抑制を理由として急病患者、重症患者、定期的な診療を必要とする患者に対する医療サービスの提供を拒否することを禁止する。
  7. 条件を満たす、大学から帰省した大学生に対して隔離などの措置をとることを禁止する。
  8. 防疫チェックポイントを恣意的に設け、条件を満たしている乗用車やトラックの乗務員の通行を制限することを禁止する。
  9. 低リスク地区において、正常な生産や生活を保障する場所を恣意的に閉鎖することを禁止する。

(注)中国政府当局や中国の防疫対応に携わる専門家の説明によると、「ダイナミックゼロコロナ」とは国内の「感染者の発生をゼロにする」ものではなく、感染者の能動的かつ迅速な発見を行い、感染者に対して速やかに疫学的調査、診断、隔離、治療を行い、コミュニティー(社区)で持続的に感染が広がることを防ぐ防疫戦略を指す(2022年4月11日記事4月21日記事参照)。

(小宮昇平)

(中国)

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