グジャラート州、GIDCサナンドに労働者向け宿泊施設を建設

(インド)

アーメダバード発

2022年06月27日

インドのグジャラート(GJ)州首相官邸は6月17日、サナンド・GJ州産業開発公社(GIDC)産業組合(注)とGJ州労働福祉委員会が同州初となる産業労働者向けの宿泊施設をサナンド工業団地内に立ち上げる覚書(MoU)に署名したと発表した。同施設は、GIDCが提供する4,138平方メートルの敷地に7階建てで建設し、1,000人以上の労働者の収容が可能だという。施設には食堂や屋内外のスポーツ設備のほか、多目的ホール、ショッピングセンターなども併設する予定だ。家賃は1人当たり月1,500ルピー(約2,550円、1ルピー=約1.7円)、食費は4,000ルピーほどになるという(「タイムズ・オブ・インディア」紙4月14日)。

約350軒の工場が操業するサナンド地区では、新型コロナウイルス感染拡大以前は2万5,000人以上の労働者が働いており、うち約2万人は他州からの出稼ぎ労働者だった。しかし、ロックダウンによって職を失い、家賃が支払えなかったり、十分な食料品が手に入らなかったりといった困難に見舞われた労働者は、より故郷に近いところでの仕事を求めて他州に流出し、その数は約4,000人に上ると推計されている(「タイムズ・オブ・インディア」紙6月2日)。こうした状況を受け、サナンドGIDC産業組合とグジャラート州労働福祉委員会では、このプロジェクトを通じ、出稼ぎ労働者を含む全ての労働者に対し、標準的な生活環境を安価に提供することを目的としている。

官民連携により実施される同プロジェクトの費用は約1億ルピーと推定され、うち3,000万ルピーは労働省からの補助金、残りはサナンドGIDC産業組合と入居企業によって賄われる見込み。この施設の建設は28カ月で完了する予定だ。

また、同様の施設を建設する計画はバドーダラ、ダヘジ、スーラトなど、GIDCが管轄する州内の複数の工業団地で進行している。

(注)サナンド工業団地の入居企業による組合。

(飯田覚)

(インド)

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