米フォーブス誌の世界を変える30歳未満30人、アジア大洋州では若手起業家など日本から33人選出

(ASEAN、日本、インドネシア、フィリピン)

アジア大洋州課

2022年06月09日

米国の経済誌「フォーブス(Forbes)」は5月25日、アジア大洋州で活躍する30歳未満の起業家や研究者、芸術家、アスリートなど各分野で30人を選出したリスト「Forbes 30 Under 30 Asia 2022」を発表した。同リストは世界の主要国・地域ごとに発表されており、日本では「世界を変える30歳未満30人」として実施されている。7回目にあたる今回は、4,000人を超えるエントリーの中から10部門で合計300人を選出した。日本からは33人が選出された。なお、選出された22カ国・地域のうち、最も多かったのはインドの61人だった。シンガポール(34人)、日本、オーストラリア(32人)、インドネシア(30人)、中国(28人)と続いた。

リストの中で同誌がハイライトした日本人は、エンタープライズ・テクノロジー部門では、量子コンピュータのアルゴリズムの研究開発や実用レベルのエンジニアリングに取り組むQunasys(キュナシス)の共同創業者である御手洗光祐氏(大阪大学 基礎工学研究科助教)だった。また、ヘルスケア&サイエンス部門では、理化学研究所の基礎科学特別研究員である藤代有絵子氏を、次世代の省エネルギー技術への貢献などで評価した。

このほか、小売り・Eコマースでは、インドネシアの地方部でソーシャルコマース事業に取り組むアプリカシ・スーパー(Aplikasi Super)の創業者であるデベアシンタ・ブディマン(Debeasinta Budiman)氏とガレット・クスワンディ(Garret Koeswandi)氏など、東南アジアの起業家らも選出された。産業・製造&エネルギー部門では、東南アジアで物流効率化を手掛けるスタートアップのインテラック(Inteluck)を創業したケビン・ジャン(Kevin Zhang)氏をフィリピンから選出するなど、アジア大洋州で注目の若手人材を選出した。

フォーブス誌によると、「選出された起業家やイノベーターは、新型コロナウイルスの感染爆発がもたらした断絶や孤立の後、アジアを再接続(reconnecting)することに取り組んだ」「Eコマースやオンライン学習、Web3への投資まで、地域の未来がどのようになるかの一瞥を与えた」と評価した。

(山城武伸)

(ASEAN、日本、インドネシア、フィリピン)

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