第1四半期の実質GDP成長率は市場予測をわずかに上回る7.3%

(トルコ)

イスタンブール発

2022年06月08日

トルコ統計機構(TUIK)の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(5月31日)によると、2022年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率は、市場予測をわずかに上回る前年同期比7.3%となった。季節・日数調整後の成長率(前期比、年率換算)では1.2%の成長だった。トルコ政府は2022年の成長目標を5.0%としているが、エコノミストの間では、年間の成長率は3.5~4.0%になるとみている(5月31日付国営アナドル通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

第1四半期の成長率を支出項目別にみると、GDPの最大項目である家計最終消費支出は、前年同期比で前期の21.4%から19.5%に減速したが、成長の牽引力となった。ただし、季節・日数調整後の前期比の家計最終消費支出は2.8%減で、2021年第1四半期(0.7%減)以来のマイナスとなっている。ブルームバーグ(5月31日付)は、「購買力と消費者心理は大規模なインフレ圧力に見舞われており、家計を圧迫している」と指摘した。

個人消費とともに押し上げ要因となった輸出も同様で、前年同期比では16.8%のプラスだったが、前期比では3.2%のマイナスだった。しかし、輸入は前年同期比2.3%増にとどまっていることから、純輸出が成長に寄与したと言える。民間投資を含む総固定資本形成は、前年同期比1.1%増と2四半期ぶりにプラスに転じ、先行きに好材料を提供している。

部門別にみると、工業が前年同期比7.4%増、サービスが同14.6%増のプラス成長だった。金融・保険業は同24.2%増で成長を牽引した。また建設は同7.2%減とマイナス成長が続いているが、前期比では9.4%増と回復傾向がみられる。

ヌーレッディン・ネバーティ国庫・財務相は、2022年第1四半期もGDPのバランスの取れた成長が続いているとした。内需が成長に3.9ポイント、純外需は3.5ポイントの貢献をしていると評価し、「トルコの経済モデル」はマクロ経済と金融の安定性を強化し、高付加価値を伴う投資を促進すると述べた(6月1日付国営アナドル通信外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

他方、エコノミストらの間では、リラ急落によるインフレ高進の勢いは衰えておらず、経済活動に鈍化の兆しがみられるとの声もある。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴うエネルギー価格の急騰、経常収支の悪化、リラ安や高インフレによるボラティリティの悪化は可処分所得の減少につながり、成長見通しの重しになっているとの指摘も出ている。

(中島敏博)

(トルコ)

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