ECの「618セール」、京東は過去最高の売り上げ更新

(中国)

上海発

2022年06月29日

中国のEC大手の京東(JD)は、6月1日から6月18日までのECのビッグセール「618セール」の注文額が3,793億元(約7兆5,860億円、1元=約20円)で、前年(3,438億元)より10.3%増となり、過去最高額を更新したと発表した。

京東は今回の618セールの特徴を幾つか挙げている。

まず、人々の健康に対する意識が劇的に高まった。重大な病気の早期スクリーニングサービスは、京東ヘルスで注文された最も人気のある医療サービスとなり、同サービスの注文額は前年同期比50倍になった。

また、消費者は新しい技術やデザイン、機能、より良い品質の商品とアイデアを提示するメーカーに強い関心を示した。618セール期間中の電化製品に特化したスーパーデーでは、1万元のゲームラップトップの注文額が前年同期比2.2倍だった。ゲーミングテレビ、最新機種のエアコン、スマート真空掃除機などの新たな家電の平均成長率は前年比5倍以上増加した。

ほかにも、グリーン消費が増加した。京東は5月20日にグリーン・インパクト・イニシアチブを発表し、環境に優しい基準に合致する100万種類の製品にグリーンラベルを付けた。6月5日時点で157万種類以上のグリーン消費関連製品が京東で販売されている。電気自動車の売上高は前年同期比3倍、節水型トイレの売上高は同8倍となった。

2022年に入ってからの中国での新型コロナウイルス感染の再拡大とサプライチェーン混乱という不確実性の中で、京東は今回のセールテーマを「責任あるサプライチェーン」としていた。

京東消費・産業発展研究院の分析によると、新型コロナウイルス感染再拡大はサプライチェーンの不確実性を増加させ、消費者の購買意欲と販売業者の自信を一定程度削ぐことになった。消費者は、注文しても出荷が遅延し、出荷後も各地の配送ステーションに数日間置かれ、居住地の都市に到着しても封鎖管理などで配送されないといった状況に悩まされた。販売業者も、感染拡大によって倉庫が閉鎖され、返品率が増加し、消費者の苦情も増加したほか、賞味期限の短い製品が倉庫で大量に積み上がるなどの状況があり、618セールへの参加を取りやめる販売業者も出たという(「中国科技新聞網」6月21日)。

(高橋大輔)

(中国)

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