中国、アルゼンチン産遺伝子組み換え大豆の輸入と販売を承認

(アルゼンチン、中国)

ブエノスアイレス発

2022年06月01日

アルゼンチン政府は4月29日、農業バイオテクノロジー企業ビオセレスと国立リトラル大学が共同で開発した遺伝子組み換え大豆「HB4大豆」の輸入と販売を中国農業農村部が承認したと発表した。

HB4大豆は、乾燥や高塩濃度ストレスへの耐性が高いと言われている。アルゼンチン国内では2015年に承認された。中国は2016年10月21日に承認のための手続きを開始した。HB4大豆は、大豆生産大国の米国で2019年8月に承認を受け、同年にブラジルやパラグアイ、2021年にはカナダでも承認を受けたとアルゼンチン外務省は伝えている。

中国は、アルゼンチンが生産する大豆の最大の輸出相手国のため、今回の承認は将来を見据え、極めて重要だと政府関係者や業界関係者は声をそろえる。

国家統計センサス局(INDEC)によると、2021年の中国向け大豆輸出量は約375万トンで、世界向け輸出量の約70.0%を占めた。大豆油の同年の中国向け輸出量は約37万トンで、世界向け輸出量全体の約7.0%だった。なお、中国はアルゼンチン産大豆粉は輸入していない。

遺伝子組み換えではない大豆の生産は、アルゼンチン農牧水産省の5月19日付の見通しによると、2021/2022年度(2021年3月~2022年2月)は約4,350万トンで、前年度比約5.4%減少する。生産量の減少は主に降雨量不足と凍霜害に見舞われたため。ロサリオ穀物取引所によると、2022/2023年度(2022年3月~2023年2月)の作付け時期はこれからだが、生産者はラニーニャ現象による降雨不足や国際価格の変動を強く懸念し、作付け計画に慎重になっているという。

(山木シルビア)

(アルゼンチン、中国)

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