米メインスプリング・エナジー、水素とアンモニアを燃料とする発電機の開発発表

(米国)

ヒューストン発

2022年06月30日

米国の発電機メーカーであるメインスプリング・エナジー(本社:カリフォルニア州メンローパーク)は6月22日、水素とアンモニアのゼロカーボン燃料の双方を用いて高効率で作動する世界初の発電機を開発したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

メインスプリングは「リニア発電」と呼ばれる、磁石を取り付けたピストンがコイルの内側を往復直線運動することによって直接発電する技術を有しているのが特徴だ。ピストンは水素やアンモニアだけでなく、バイオガス、再生可能天然ガス、そのほかのガス燃料をシリンダーで燃焼させることで作動し、ソフトウエアの制御により複数の燃料を自動的に切り替えることが可能だという。同社は、こうした自社発電機の使用によりクリーンで低コストの電力を供給することができるとしている。

同社は、ビル・ゲイツ氏をはじめ、米国石油大手シェブロン傘下のシェブロン・テクノロジー・ベンチャーズ、ノルウェー石油大手エクイノール傘下のエクイノール・ベンチャーズなど、さまざまな個人や企業から出資を受けている。

メインスプリングの最高経営責任者(CEO)兼創設者のシャノン・ミラー氏は「クリーン燃料の入手が容易になり、費用対効果が高まることで、あらゆる組織がクリーン燃料を活用して事業を運営し、ゼロカーボン電力を生成し、気候目標を達成できるようになる。そのために燃料に柔軟に対応できるリニア発電機を開発した」と述べた。

米テキサス大学のマイケル・ウェバー博士は「アンモニアを効率的に直接かつクリーンに電気に変換できる装置は、アンモニアを水素に戻して燃料として使用する際のエネルギーロスを回避できるため、画期的なものだ」と述べた。

(沖本憲司)

(米国)

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