世界最大のバイオ分野展示会、米カリフォルニア州で3年ぶりに対面式で開催

(米国、日本)

シカゴ発

2022年06月30日

創薬や創薬支援、再生医療などを含むバイオ分野の世界最大の展示・商談会「2022 バイオ・インターナショナル・コンベンション(BIO International Convention)」が6月13~16日に米国カリフォルニア州サンディエゴで開催され、全米のほか世界各国・地域から約1万4,000人(主催者発表の速報値)が参加した。「新型コロナ禍」で過去2年間はオンラインで開催されていたが、今回は3年ぶりに対面式での開催となった。

同展示会は、製薬の業界団体である全米製薬イノベーション協会(BIO)が主催している。参加者には、新型コロナワクチン接種証明が原則必須とされ、初回入場時には接種の有無にかかわらず、陰性証明の提示も求められるなどの対策が施された。主催者は当初、入場時のマスク着用を義務化していたが、開催3日前に「強く推奨」にルール変更した。

写真 企業・国・地域別パビリオンが並ぶバイオ・インターナショナル・コンベンション会場内(ジェトロ撮影)

企業・国・地域別パビリオンが並ぶバイオ・インターナショナル・コンベンション会場内(ジェトロ撮影)

会場には、これまでと同様に多くの製薬企業や創薬支援企業、製薬製造企業が出展したほか、多数の国・地域別パビリオンも設営された。米国内からはバイオクラスター育成を目指すマサチューセッツ州やカリフォルニア州、オハイオ州などが出展した。国・地域別パビリオンでは、欧州からドイツ、フランスなど、アジア地域からは日本、韓国、台湾、インド、タイなどが参加した。一方、過去に大規模なパビリオンを運営・出展していた中国の参加は見られなかった。主催者によると、会期前に中国政府から急に連絡が途絶えたという。

対面式での出展に大きな意義

ジェトロは、例年どおり今回もジャパンパビリオンを運営し、大学発スタートアップなど計22社の出展を支援した。参加企業からは「多くのレセプションが開催され、新型コロナ感染拡大前の生活に戻っている米国に驚いた」「過去のオンライン開催では、関係維持はできても発展させることはできなかった。対面での商談機会の創出が重要なことを身に染みて実感した」「オンラインによる面談では得られなかった相手の興味や関心に気づくことができた」など、新型コロナウィルス感染が収束していない状況下でも渡米したことに意義を感じる声が非常に多く聞かれた。

次回は2023年6月5日~8日に米マサチューセッツ州ボストンで開催される予定。

写真 ジャパンパビリオンの様子。会期中多くの商談がブース内で実施された(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンの様子。会期中多くの商談がブース内で実施された(ジェトロ撮影)

写真 会場内商談エリアには300以上の商談専用ブースが並ぶ(ジェトロ撮影)

会場内商談エリアには300以上の商談専用ブースが並ぶ(ジェトロ撮影)

(橋本翼、星野香織)

(米国、日本)

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