OECD、チリのGDP比での税収の低さを指摘

(チリ)

米州課

2022年06月30日

OECDは6月24日、チリの税制について評価したレポート「OECD Tax Policy Reviews: Chile 2022」を発表した。それによると、チリの税収のGDP比(2019年)は20.7%で、OECD加盟国平均の33.8%を大幅に下回っており、かつ過去30年間ずっとその傾向が変わっていない。また、チリと歳入の水準が同程度のOECD加盟国(オーストラリア、カナダ、アイルランド、ニュージーランド)と比較しても、その比率は低い。

同レポートは、チリの税収が伸び悩む要因として、税収の高い国の多くが個人所得税と社会保障負担金の歳入に頼るところが大きい一方、チリは付加価値税と法人税への依存度が高い点を挙げている。なお、法人税の中でも、特に鉱業分野の企業からの税収が多いことから、資源価格による法人税収入が増減する不安定性も指摘している。

このようにOECDは、チリの税収の少なさを指摘する一方、「新型コロナ禍」から経済的に回復すればチリには税収の水準を上げる余地があり、税制改正も可能だろうとしている。

税制改正についてガブリエル・ボリッチ大統領は、6月1日の教書演説でも法案提出について述べている(2022年6月8日記事参照)。同法案は、7月1日にも提出される見通しだ。ボリッチ大統領は、4月から6月にかけて実施された税制改正についての市民との対話の中でも「永続的な歳入確保のためにも税制改革は不可欠だ」と述べている。かねて富の再分配のために富裕層への課税増や鉱業ロイヤルティーの増税などを掲げているボリッチ大統領だけに、歳入増を図るため、どのような税制改正案が提示されるか注目が集まる。

(佐藤輝美)

(チリ)

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