アフリカ製油公社、精製能力を引き上げ

(セネガル)

アビジャン発

2022年06月21日

セネガルで唯一の製油所を有するアフリカ製油公社(SAR)は精製能力を年間120万トンから150万トンに引き上げた。これは、2019年10月にSARとフランス・米国のテクニップFMC傘下のテクニップ・エナジーズ間で調印された石油精製設備の総額8,000万ユーロの拡張プロジェクトの一環として着工されたもの。ジェトロが6月にセネガルのコンサルタント会社を通じて確認したところ、4月の完工後、試運転を経て、現在既に稼働中だという。

セネガルは、主にナイジェリアから低硫黄原油を輸入し、年間110万トンの石油製品を生産しており、国内市場向けのほか、隣国マリなどに輸出している。国内の石油製品の需要は現在は年250万トンだが、年々増加傾向にある。国内需要の増加と2023年に商業生産の開始が見込まれるサンゴマール油田からの原料調達を見込んだ対応強化のため、今回、精製設備を増強するに至った。

セネガルでは石油のほか、英BPと米コスモスが開発するモーリタニア・セネガル水域にまたがる鉱床GTAで、天然ガスの生産開始が2024年に見込まれている。セネガル企業は石油・天然ガスの利活用に向けて、大規模なインフラ整備事業を加速させている。

(安藤真由美、渡辺久美子)

(セネガル)

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