ラオス、韓国への農業季節労働者を派遣

(ラオス、韓国)

ビエンチャン発

2022年06月06日

5月24日に、韓国の外国人季節労働者プログラムに参加するラオス出身の労働者190人が韓国に入国した。これらの労働者は今後、トレーニングを受けた後、45人が韓国東南部の慶尚北道盈徳(ヨンドク)郡に、145人が北東部の江原道横城(フェンソン)郡の農家に派遣され、農作業を行う予定。本プログラムは、外国人を3~5カ月間、合法的に雇用する制度で、ラオス労働社会福祉省が韓国の地方自治体である3郡〔ヨンドク郡、フェンソン郡および慶尚南道昌寧(チャンニョン)郡〕との間で、それぞれ覚書(MOU)を締結して実施している。ラオス労働社会福祉省によると、年間1,000人程度の派遣の要望が来ており、今後さらに4郡とMOUを締結する予定だという。

ラオス労働社会福祉省斡旋局のアヌソーン・カムシンサワット局長によると、25~45歳を対象とした本プログラムに参加する労働者は、時間外手当を除いて1カ月当たり1,570ドル程度の所得が得られ、5カ月で合計7,850ドルの所得が期待できるという。一方で、労働者はフライト代、研修費、食費、諸手続きにかかる費用、健康診断費、保険料など2,780ドルを自己負担する必要があるとともに、3,000ドルもしくは土地証書を担保として預ける必要があると説明する。

また、本プログラムとは別に、ラオスから韓国への労働者の送り出しに関しては外国人勤労者雇用許可制度(EPS)がある。本制度を通じて、2018年2月から工業セクターの中小企業向けに3~5年間の労働者派遣が実施されている。ラオス側の送り出し機関には、ラオス雇用サービスセンターが指定され、18歳以上40歳未満で、韓国語能力試験や体力試験、職務能力試験に合格した者が派遣されている。両スキームを合わせて、現在、韓国には632人のラオス人労働者が派遣されている。

現在、政府間の合意の下、ラオス人労働者は韓国のほか、タイおよび日本(技能実習生)に派遣されている。また、オーストラリアへの農業労働者の派遣についても協議が進められている。

なお、労働組合連合によると、ラオスの2021年の失業率は21.8%と新型コロナウイルス流行前の9.24%から大きく上昇している。今回の韓国への労働者派遣に対し、ラオス社会からは高い関心が寄せられている。

(山田健一郎)

(ラオス、韓国)

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