上海米国商会調査、上海の封鎖管理を受け、2割超の企業が対中投資の削減を検討

(中国、米国)

上海発

2022年06月23日

上海米国商会(注)は6月15日、「上海市における都市封鎖管理による外資系企業への影響調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」の結果を公表した。同調査は、6月7日から9日にかけて実施し、同商会会員のうち、133社(製造業69社と小売・サービス業64社)から回答を得た。

調査報告では、2022年の収益見通しについて、93%の企業が「下方修正」と回答した。「20%以上の下方修正」と回答した企業が全体の25%を占め、小売・サービス業においては36%となった。

今後の投資計画について、上海市の封鎖管理の影響により、小売・サービス業の25%、製造業の20%が中国への投資を減少させると回答し、中国での投資拡大を検討しているのは1社のみだった。

サプライチェーンについて、製造業の26%は、中国で消費される製品のサプライチェーンの現地化を進め、世界で販売する製品については生産拠点を海外に移転すると回答した。一方、製造業の23%は、上海市の封鎖管理は自社のサプライチェーン戦略に影響を与えていないと回答した。

操業再開状況に関して、製造業は、「稼働率100%」「稼働率75%以下」「全く稼働していない」がそれぞれ35%、25%、3%となった。小売・サービス業で「稼働率100%」は27%にとどまった。

封鎖管理による上海市政府の経済支援措置に関して、既に申請し、支援を受けたと回答した企業は9%のみだった。申請を行っているが、待機状況にあるとの回答は19%だった。

同商会のエリック・チャン会長は調査結果に対し、「操業再開は進んでいるものの、上海市の封鎖管理は企業活動に甚大な影響を与えた。その結果、約4分の1の会員企業が投資計画を減少させた。上海市政府はサプライチェーンや物流、従業員の移動の自由を確保し、企業への財政支援を迅速に行わなければならない。上海市政府は新型コロナウイルスへの感染対策に対応しつつ、ビジネスを重視する姿勢を取り戻すべきだ」と述べた。

(注)上海米国商会は、中国に進出した米国企業(会員企業数:約1,500社)で構成される。

(龐婷婷)

(中国、米国)

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