チェコ中銀が政策金利を7.0%に引き上げ、過去23年間で最高水準に

(チェコ、ウクライナ、ロシア)

プラハ発

2022年06月27日

チェコ国立銀行(中央銀行)は6月22日の定例金融政策会議で、翌23日付で政策金利を1.25ポイント引き上げて7.0%とすることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。これにより政策金利は過去23年間で最高の水準に達した。中銀は同時に、ロンバートレート(債権担保貸付金利)とディスカウントレート(割引率)も同様に1.25ポイント引き上げ、それぞれ8.0%、6.0%とした。

政策金利の引き上げ決定は2021年6月23日以降9回連続となっている(2022年5月9日記事参照)。今回の引き上げの主因も前回同様、インフレ率の上昇にある。直近の5月のインフレ率は前年同月比16.0%上昇し(添付資料図参照)、中銀の予測14.9%を1ポイント以上上回り、1994年1月以降最高を記録した。中銀はサービス価格の上昇に関しては、帰属家賃(注1)や外食産業の価格の高騰が最も寄与したと指摘している。燃料価格の上昇も中銀の予想を上回った。

中銀は春季経済予測(2022年5月9日記事参照)をその後の経済動向と検証し、インフレリスクが引き続き高いとし、さらなる大幅な金融引き締めが必要と判断した。特に、ロシアからの供給不安によるエネルギーなどの急騰が国内外のインフレを加速していると指摘している。また、通貨チェコ・コルナの下落や、2022年から2023年にかけて緊縮財政政策が緩和される可能性などがインフレ圧力を引き上げるリスクとした。不確定要素としては、ウクライナ情勢と諸外国の金融政策が不透明なことを挙げた。

なお、中銀のイジー・ルスノク総裁は6月末に任期を終え、次期総裁(任期6年)には現理事のアレシュ・ミフル氏が就任する(5月11日付大統領府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ミフル理事は、中銀が政策金利引き上げを決定した2021年6月23日以降の8回の金融政策会議で、いずれの回も引き上げに反対し、金利据え置きに票を投じていた。同理事は前回5月5日の定例金融政策会議で、ロシアのウクライナ侵攻により拍車がかかった現在のインフレのコストプッシュ要素(注2)が依然として金利引き上げによる解決を阻んでいる状況にあるとし、インフレ対策として、国家予算赤字の漸進的削減と賃金の物価スライド防止の2点を主張していた。

5月11日の次期総裁任命式外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでミフル理事は、8月4日に予定されている総裁就任後初の政策会議では金利を一定期間安定させる提言をする意思を明らかにしている。「これまでの金融政策を精査し、新たな経済指標の評価を行い、一定の期間を経た後に今後の対策を決定する」と同理事は述べている。

(注1)家賃の支払いが発生しない住宅(持ち家)について、通常の賃借と同様のサービスが生産・消費されると見なして、それを一般の市場価格で評価した家賃。

(注2)コストプッシュインフレ(価格水準の上昇)を引き起こす、労働力、原材料などの投入物の価格上昇を指す。

(中川圭子)

(チェコ、ウクライナ、ロシア)

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