浙江華友コバルト業、インドネシアへの投資含む約122億元の増資案公表

(中国、インドネシア)

上海発

2022年06月29日

上海証券取引所に上場し、コバルト製品を中心とする中国の大手素材メーカーの浙江華友鈷業(浙江華友コバルト業)は6月19日、第三者割当増資による最大177億元(約3,540億円、1元=約20円)の資金調達案PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。調達する資金の7割弱の122億元はインドネシアで実施するニッケル・コバルト精錬の新規事業に充て、残りは広西チワン族自治区にあるリチウム生産プロジェクトに15億元、流動資金に40億元を投入する予定だ。世界的に電気自動車(EV)の普及が進む中、同社は車載電池の主要な素材のニッケルやコバルト、リチウムなどの生産を強化する。

インドネシアは世界のニッケル埋蔵量の10%以上を占めるが、2020年1月からニッケル鉱石の輸出を禁止している。このため、現地で精錬所を設置する動きが活発化するなど、ニッケル鉱石をめぐる競争が激しくなっている。浙江華友コバルト業は2022年4月にニッケル鉱石の開発権を持つ資源大手のヴァーレ・インドネシアと協力協議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを締結し、精錬所の建設条件を整えていた。

精錬所はインドネシアの北マルク州にあるインドネシア・ウェダ・ベイ工業団地(IWIP)に建設する計画だ。工期は3年で、完成すれば年間の生産能力は、ニッケルが12万3,000トン、コバルトは1万5,700トンに達する見通し。また、浙江華友コバルト業は今回の案件とは別に、既にインドネシアでニッケルの年産が6万トンと4万5,000トンの2つのプロジェクトを進めているが、新たに建設される精錬所はこれらの生産規模も上回るものとなる。

(劉元森)

(中国、インドネシア)

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