2022年第1四半期のGDP成長率は前期比1.9%のプラス成長

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2022年06月17日

南アフリカ共和国統計局は6月7日、2022年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(前期比、季節調整済み)を1.9%と発表した(添付資料表1参照)。2021年第4四半期の1.4%に続き、2期連続のプラス成長となり、新型コロナウイルス感染拡大以前の水準をわずかに上回った。

第1四半期の実質GDPを産業別でみると、プラス成長を記録したのは10業種中8業種だった。最も高かったのは製造業(4.9%増)で、石油・化学製品、ゴム、プラスチック製品、食品・飲料、自動車・部品など、多岐にわたる分野の好調により、全体としてGDP成長率には0.6ポイント貢献した。そのほか、卸・小売・飲食業(3.1%増)や、運輸・倉庫・通信(1.8%増)がプラス成長になった。一方、白金族金属、鉄鉱石、金の減産などによって鉱業(1.1%減)が3期連続の縮小となったほか、建設(0.7%減)もマイナス成長だった。

需要項目別では、全6項目でプラス成長となった(添付資料表2参照)。財・サービスの輸入(4.9%増)、輸出(3.9%増)、総固定資本形成(3.6%増)が成長に貢献した。品目別にみると、輸入・輸出ともに、自動車およびそのほかの輸送機器、鉱物などが拡大した。

南ア金融大手ネドバンクのエコノミストは、2022年第1四半期の中でも特に1月は、政府が2021年11月末の新型コロナウイルス感染拡大第4波においても特段の規制強化を行わなかったことなどもあり、主要部門の経済活動が続いたことが同国のプラス成長に寄与したとしている。しかし、同エコノミストは、ウクライナ情勢が食料品やエネルギー価格を上昇させたほか、2022年4月に発生したクワズル・ナタール州での洪水がトヨタをはじめとする一部製造業を生産停止に追い込んだ(2022年4月15日記事参照)ことなどを踏まえ、第2四半期の実質GDP成長率をマイナス1.1%と予測している。

(堀内千浪)

(南アフリカ共和国)

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