中国、入境者の隔離期間を7日間に短縮

(中国)

北京発

2022年06月29日

中国政府は6月28日、「新型コロナウイルス肺炎感染対策方案」(第9版)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した(文書は6月27日付)。方案は新型コロナウイルスの感染予防・抑制に関する対策や措置などをまとめたもので、今回は2021年5月11日付の第8版からの改定となる。

第9版では中国への入境者の行動制限期間を、第8版の「14日間の集中隔離+7日間の自宅健康観察(注)」から「7日間の集中隔離+3日間の自宅健康観察」に短縮する。

行動制限期間中のPCR検査についても変更する。第8版では、集中隔離期間の1日目、4日目、7日目、14日目および自宅健康観察期間の2日目、7日目に実施していたものを、第9版では、集中隔離期間の1日目、2日目、3日目、5日目、7日目および自宅健康観察期間の3日目に実施するとしている。検査方法も鼻咽頭ぬぐい式が基本だったものを、口からの検体採取のみとする。

中リスク・高リスク地域などに関する基準も、全国で統一する。高リスク地域の定義は、感染者・無症状感染者の居住地、および頻繁に活動し感染拡大リスクの高い、業務を行う場所や活動地などのエリアとする。高リスク地域の住民は自宅から出ることができず、必要なサービスは訪問形式で受けるかたちとなる。連続7日間新規感染者が出なければ、中リスク地域となる。高リスク地域が中リスク地域となった後、3日連続新規感染者が出なければ、低リスク地域となる。中リスク地域、低リスク地域についても同様に定義と対応方法が定められている。

国家衛生健康委員会疾病予防・コントロール局の雷正竜副局長は6月28日の記者会見で、今回の改定の理由について、(1)国内の感染者数や感染発生地域の減少など情勢が変化したこと、(2)ウイルスの変化の特徴を発見したこと、(3)国内各地で行ってきた新型コロナウイルス感染対策最適化試験の結果や、上海市、吉林省などの感染拡大の経験、世界保健機関(WHO)のマニュアルなどを参考にできたことを挙げた。

中国政府は6月に入り、就労ビザ申請に当たって招聘(しょうへい)状(PU)を不要とし(2022年6月17日記事参照)、国際線旅客便の増便に向けた交渉を発表(2022年6月21日記事参照)するなど、中国では海外との往来を活発にする動きがみられる。

(注)自宅健康観察期間は、外出は可能だが、毎日の体温の報告、外出時の感染予防措置、人が集まる活動には参加しないことなどが求められる。

(河野円洋)

(中国)

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