ビスケット・パスタ・パン・ケーキ産業協会、遺伝子組み換え小麦由来の食品の商業化に反対する立場を撤回

(ブラジル、アルゼンチン)

サンパウロ発

2022年06月07日

ブラジルビスケット・パスタ・パン・ケーキ産業協会(ABIMAPI)は5月24日、同日付公式サイトで、同協会はこれまで、遺伝子組み換え小麦がブラジルで商業化されることに反対していたが、「これを撤回する」と発表した。遺伝子組み換え小麦を原料とする食品に関する意識調査の結果を踏まえたもの。

同調査は、ブラジル北部から南部に至る12都市で3,135人を対象に2021年12月に実施(注1)。調査結果によると、1,790人(全回答者数の57.1%)が「遺伝子組み換え食品とは何かを知っている」と回答しており、そのうち1,351人(75.5%)(注2)が「遺伝子組み換え食品を(自身が)消費していることを知っている」もしくは「知らずに消費した場合でも抵抗がない」と回答した。また、「遺伝子組み換え食品とは何かを知らない」と回答した1,345人(全回答者数の42.9%)のうち、71.8%が、遺伝子組み換え食品について理解した上で「消費する」と回答した。

ABIMAPIはこれまで、遺伝子組み換え小麦がブラジルで商業化されることに反対していたが、こうした調査結果を踏まえ「消費者の意向に反する立場は取らない」と述べた(5月24日付ABIMAPI公式サイト)(注3)。

ブラジル経済省の貿易統計(COMEX STAT)によれば、2021年にブラジルが輸入した小麦粉およびメスリン粉(HSコード1001)のうち、90.3%(重量ベース)に相当する26万6,480トンをアルゼンチンから輸入している。

(注1)本調査は、調査会社インデクサが実施。ロイター通信が入手した調査結果をABIMAPIが公式サイトに掲載している。

(注2)「遺伝子組み換え食品とは何かを知っている」と回答した1,790人のうちの75.5%

(注3)ブラジルでは2021年11月11日、科学技術革新省(MCTI)傘下の国家バイオ安全技術委員会(CTNBio)が、第246回バイオセキュリティ全国技術委員会で、アルゼンチンのHB4小麦から製造された小麦粉をブラジルで商業化することを認めている。

(古木勇生)

(ブラジル、アルゼンチン)

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