ベネズエラのマドゥーロ大統領がイラン訪問、20年間の包括的協力文書に合意

(イラン、ベネズエラ)

テヘラン発

2022年06月13日

ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領が6月10日、外務と農業、通信、科学技術、運輸、観光の各閣僚からなるハイレベル代表団を伴ってイランを訪問、11日にイブラーヒーム・ライーシー大統領、アリー・ハーメネイー最高指導者らと会談した。今回の訪問はライーシー大統領の公式招待によるもの〔6月11日付イスラーム共和国通信(IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

マドゥーロ大統領とライーシー大統領の立ち会いの下で、両国の外相が20年間の包括的協力文書に署名した。その後の共同記者会見でライーシー大統領は、今回の協力文書はエネルギー分野や、火力発電所の建設、ベネズエラの製油所のメンテナンス、経済、農業、軍事などでの協力など、さまざまな分野にわたる戦略的なものだとし、多くの分野で両国関係を発展させるものだと述べた。また、テヘラン~カラカス間の直行便就航についても言及し、これにより両国間の経済貿易関係がさらに強化され、関係がより緊密になるとした。

マドゥーロ大統領は、今回の20年間の協力文書への署名は両国関係の発展への明確なビジョンを示していると述べた。両国間には石​​油やガス、製油所、石油化学の分野で幅広い協力関係があることを指摘し、直行便就航は両国間の協力関係を活性化するのに役立つとした。また、同大統領はイランの農業について、乾燥地帯でありながらこの分野で奇跡を起こすことができたとし、イランの技術を活用してベネズエラの農業を発展させたいと述べた(6月12日付大統領府外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

マドゥーロ大統領はその後、ハーメネイー最高指導者とも会談を行った。ハーメネイー最高指導者は、米国による経済制裁などに対するイランとベネズエラ両国民の抵抗を賞賛するとともに、20年間の協力文書の署名を歓迎した。

マドゥーロ大統領は、米国の経済制裁によって困難な状況にあったベネズエラに対して手を差し伸べたイランに感謝するとし、さまざまな分野、特に科学技術分野の協力のため詳細なロードマップを作成しているとした(6月11日付最高指導者事務所外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

マドゥーロ大統領の訪問中、イランが製造した11万3,000トンの石油タンカーの引き渡しが行われ、両大統領が引き渡し式に出席した。このタンカーはイランが受注した4隻のうち2隻目で、今後さらに2隻が引き渡される予定とされている(6月12日付IRNA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)

(イラン、ベネズエラ)

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