日通子会社、製薬業界向け物流施設を米東海岸に開設

(米国、日本)

アトランタ発

2022年06月17日

日本通運の米国会社MDロジスティクス(本社:インディアナ州プレインフィールド)は6月16日、ノースカロライナ州への進出を発表し、製薬業界向けの物流施設を開設した。最新の医薬品製造・品質管理基準(cGMP)に準拠した物流サービス体制により、米東海岸のライフサイエンス、製薬業界のサプライチェーンを支援するのが狙いだ。

MDロジスティクスは、1996年に創業した医薬品関連の物流業務を包括して受託するサードパーティー・ロジスティクス(3PL)企業。日本通運は2020年9月に同社を子会社化することで、医薬品に関わる米国内のロジスティクス機能を獲得していた。一定温度下での保管、包装などの流通加工業務を担い、顧客のニーズに応じたテーラーメイド型のサービスを強みとする。インディアナ州に4カ所、ネバダ州に1カ所の物流施設を持つ同社にとっては、新施設は米国内で6カ所目、東海岸では初の拠点となる。cGMPに準拠する新施設では、摂氏2~8度と摂氏15~25度の2種類の保管環境を整える。MDロジスティクスの社長兼最高経営責任者(CEO)のジョン・セル氏は「この拡張により、ライフサイエンス・製薬業界のcGMP準拠の倉庫スペースに対する既存のニーズに応えることができる」と説明している。新拠点では、2023年末までに約30人の雇用を見込んでいる。

同社が東海岸の拠点として選んだのは、ノースカロライナ州ローリー郊外のガーナー。全米最大級のハイテクパークのリサーチ・トライアングル・パークを中心とするリサーチ・トライアングル・リージョンと呼ばれる地域だ。近年はライフサイエンスハブとしても知られ、600社以上のライフサイエンス関連企業が集積している。日本の製薬関連企業も複数進出しており、2021年3月には富士フイルムの子会社フジフイルム・ダイオシンス・バイオテクノロジーズがバイオ医薬品の製造拠点の建設を発表(2021年3月23日記事参照)、6月8日にはアステラス製薬が遺伝子治療薬製造施設を新設している。

MDロジスティクスの進出について、ノースカロライナ州経済開発機構(EDPNC)ビジネス開発部長のコリー・ハワード氏は「製薬業界を支える日系3PL企業としてMDロジスティクスの存在は、かつてないほどの試練に直面している米国のサプライチェーンの強化や、州内で製造される救命薬の流通に対する貢献など、重要な動きの中心になるだろう」と述べている。

(高橋卓也)

(米国、日本)

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