GCC閣僚会合にロシアのラブロフ外相が参加

(中東、ロシア、ウクライナ)

中東アフリカ課

2022年06月07日

湾岸協力会議(GCC)が6月1日にサウジアラビア・リヤドで開催した第152回閣僚会合に、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が参加するとともに、GCC各国の外相と会談を行った。

ラブロフ外相は、5月30日にバーレーンでハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王と会談し、その翌日にリヤド入りした。GCCとロシアとの戦略対話を行うための第5回合同閣僚会議という枠組みの下でGCC閣僚会合に参加したとされ、ナーイフ・ファラー・アル・ハジュラフGCC事務局長とも会談を行った〔6月1日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

各国との会談内容は非公開で、その焦点は明確にされていないが、「アラブ・ニュース」(6月2日付)や「ザ・ナショナル」(6月3日付)などの現地報道によれば、ラブロフ外相は6月1日の会談後の記者会見で、「西側諸国は、米国を中心とした一国主義の世界を形成しようとしており、ロシアの安全を脅かすためにウクライナを後押ししている」と非難した。また前述の記事によれば、「GCC諸国はロシアと欧米の対立の本質を理解しており、欧米諸国と一緒にモスクワに制裁を加えることはないという確約を得た」と発言した、とも報じられている。

他方でGCC側としては、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相が閣僚会合の開会演説で、「ロシアとウクライナの危機に対して、湾岸諸国としてのわれわれの姿勢は一致している」と結束を強調した。

なおGCC外相は、ロシアと話す一方で、同1日にウクライナのドミトロ・クレバ外相ともリモートで会談したとされる。ファルハーン外相は開会演説で、「本日ロシアとウクライナの外相と2つの有意義な会談を行い、両国の危機とそれがもたらす負の結果、すなわち被害を受けた国と世界の食糧安全保障に対して、われわれが統一的な立場を取ることを表明した」と述べているが、ロシアとウクライナに対するGCC側の立場は明確には示されていない。

(米倉大輔)

(中東、ロシア、ウクライナ)

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