GJ州ピパバブ港が「CPPI 2021」世界26位、グリーンへの取り組みも評価

(インド)

アーメダバード発

2022年06月15日

インド・グジャラート(GJ)州南部に位置するピパバブ港は、同州のムンドラ港やハジラ港、マハーラーシュトラ州のナバシェバ港などとともに、インド西部の主要コンテナ港として整備・利用が進んでおり、日系企業が多く集積する西部、北部の製造拠点への重要な物流拠点の1つとして認識され始めている。

世界的な港湾運営会社のAPMターミナルズが主体となり管理運営するピパバブ港は、総面積が631ヘクタール。年間で最大135万TEU(注)のコンテナ、400万~500万トンのドライバルク貨物、200万トンの液体貨物、約25万台の自動車を取り扱う能力を有しており、海側と陸側のエリアへの拡張余地を有する新興港湾だ。

最近発表された「グローバル・コンテナ・ポート・パフォーマンス・インデックス(CPPI)2021」において、ピパバブ港は全世界370港の中で26位にランクされ、インド最大のナバシェバ港を抑えてインド国内で「最も効率的」なコンテナ港と評価された。本ランキングは、世界銀行とS&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスが開発した指標に基づくもので、世界のコンテナ港の各パフォーマンスを比較することが可能だ。同社は「インフラ、顧客への迅速な対応、輸出入手続きの簡素化、生産性、安全運航など顧客中心主義が評価された証拠だ」としている。

また、同社リリースによると、APMグループのゼロ・カーボン・ビジョンに基づき、同港に直流容量1,000kWp(キロワットピーク)の太陽光発電所を設置し、自家消費を行う。加えて、屋上太陽光発電プロジェクトの稼働により、ピパバブ港の総エネルギー消費量の約10%を賄い、年間1,100トンの二酸化炭素(CO2)排出量を削減する計画だ。これまで同社は、環境保全と資源の最適利用を目的に、グリーンベルトの整備、LED照明への交換、港内の電気自動車(EV)の使用、廃水処理水の再利用による植林などを行ってきた。

ジェトロが日系物流企業に対し、インド西部の港湾状況につきヒアリング(6月13日)したところ、「デリー首都圏(NCR)向けの日系顧客の輸出入ゲートポートは、かつてナバシェバ港が主流だったが、近年ムンドラ港やピパバブ港に分散する傾向が見られる。特にムンドラ港はコンテナ取扱量が多いだけでなく、バルク品や規格外サイズの大型貨物(肥料、鉱物、農産物、鉄製品、設備機械など)のハンドリング能力で強みを発揮している。また、近年ハジラ港の取扱量が着実に増えており、ピパバブ港より多くなる傾向がある」と、ピパバブ港のみならず、GJ州の港湾が注目されていることが分かった。

(注)20フィートコンテナ換算。

(古川毅彦)

(インド)

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