バイデン米大統領、経済繁栄のための米州パートナーシップ構想を発表

(北米、中南米)

ニューヨーク発

2022年06月10日

米国のジョー・バイデン大統領は6月8日、カリフォルニア州ロサンゼルスで開会した第9回米州首脳会議で、「経済繁栄のための米州パートナーシップ(APEP)」構想を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ホワイトハウスが公表したファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、交渉で扱う分野は(1)地域経済機関の再活性化と投資の促進、(2)より強靭(きょうじん)なサプライチェーンの構築、(3)基本的な公共投資の底上げ、(4)クリーンエネルギー関連雇用の創出および脱炭素化と生物多様性の推進、(5)持続可能で包摂的な貿易の実現、の5本の柱となる。バイデン政権高官によると、APEPはバイデン大統領が5月に発足させた「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」(2022年5月24日記事参照)に類似した経済枠組みとなる。すなわち、APEPに参加する国は、5つの交渉分野から自国が希望する分野にのみ参加することが可能になる。バイデン政権は、今後2~3カ月をかけて5つの交渉分野の範囲を定め、秋口に閣僚会合のかたちで正式な交渉開始につなげたい考えだ。

他方、IPEF参加国の中で米国が自由貿易協定(FTA)を締結しているのはシンガポール、オーストラリア、韓国のみである一方、米州諸国とは多国間を含めると既に12カ国とFTAを締結している(注)。政権高官はこの点をもって、IPEFと対話の出発点が異なるとしており、APEPは既存のFTAで形成された基盤を更新する取り組みだとしている。なお、IPEFと同様に、関税譲許を伴う市場アクセスは交渉分野に含まれない見込みだ。バイデン政権は今後2~3カ月間で、可能な限り多くの参加を得られるように注力するとみられる。

なお、米国通商代表部(USTR)は6月8日、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドル、エルサルバドル、ハイチ、パナマ、パラグアイ、ウルグアイの13カ国とともに、良い規制慣行に関する共同宣言を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。各国が規制情報をオンラインで公開し、新たな規制策定のプロセスを透明化することで、貿易における非関税障壁を下げることを狙いとしている。APEPと関連付けた言及はないものの、米州首脳会談の1つの成果と言えそうだ。

(注)多国間FTAは、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、ドミニカ共和国と締結した「米国・中米諸国・ドミニカ共和国自由貿易協定(CAFTA-DR)」、メキシコおよびカナダと締結した「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の2協定。2国間FTAは、チリ、ペルー、コロンビアおよびパナマとの間で締結。ジェトロの「世界のFTAデータベース」を参照。

(磯部真一)

(北米、中南米)

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