嵐図汽車、ノルウェーに初のEV海外販売拠点を設置

(中国)

武漢発

2022年06月22日

東風汽車集団傘下の新エネルギー車(NEV)メーカーである嵐図汽車(VOYAH)は6月12日、ノルウェーのオスロに初の海外販売拠点を開設した。中国国有NEV企業の海外販売拠点設置はこれが初となる(「湖北日報」6月14日)。

嵐図汽車の盧放最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)は「海外に自社販売拠点を設置した最初の国有NEV企業として、運転性能とスマート技術を融合させた製品を世界に提供することで、中国ブランドの世界に対する影響力を積極的に高めていく」と述べた。また、「北欧で最初の販売拠点を開設することは、嵐図汽車がグローバル市場に参入するための第一歩だ。東風グループの強力な海外リソースを利用して、海外市場を展開し続け、中国ブランドの継続的なブランド力向上を推進する」としている(同上)。

嵐図汽車は3月10日、ノルウェー進出に先立ち、東風汽車工業輸出入およびノルウェーの自動車ディーラーであるエレクトリックウェイと戦略的業務提携を行う旨の覚書を締結している。

ノルウェーの道路交通評議会(OAF)によると、2021年の同国における新車登録台数は前年比24.7%増の17万6,276台。内訳を燃料種別にみると、電気自動車(EV)が48.1%増の11万3,715台(構成比64.5%)、プラグインハイブリッド車(PHEV)が32.0%増の3万8,166台(21.7%)で、EVとPHEVだけで新車登録台数の86.2%を占めた。ノルウェーでは、2025年までに全ての新車販売を排出ゼロ車にする方針が掲げられていることから、NEVへの需要は今後も拡大していくとみられる(2022年1月14日記事参照)。

嵐図以外の中国メーカーの動きとしては、新興EVメーカーの上海蔚来汽車(NIO)が既にノルウェー市場に参入している(2021年12月27日記事参照)。

(楢橋広基)

(中国)

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