バイデン米大統領、7月13日にイスラエル・パレスチナ訪問へ

(イスラエル、米国、サウジアラビア 湾岸協力会議(GCC))

テルアビブ発

2022年06月16日

米国のカリーン・ジャンピエール大統領報道官の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを受けて(2022年6月15日記事参照)、イスラエルの現地紙「ハアレツ」は6月14日、ジョー・バイデン米大統領が7月13日にイスラエルとパレスチナを訪問する予定と報じた。

同発表によると、バイデン大統領は7月13~16日の日程で中東各国を歴訪、最初の訪問国がイスラエルとなる見込み。イスラエルの安全保障と発展に対する米国の強固な関与をあらためて示すとともに、湾岸協力会議(GCC)メンバー国にエジプト、イラク、ヨルダンを加えた「GCC+3」サミットにも出席する予定だ。同大統領はパレスチナも訪問し、同自治政府首脳と会談、「2国家解決」への強力な支援をあらためて示すとしている。

今回のバイデン大統領の中東歴訪については、5月下旬から関連する動きが相次いで報じられている。例えば5月26日付「ロイター」は、米国のブレット・マクガーク国家安全保障会議(NSC)中東・北アフリカ調整官とエイモス・ハックスタイン国務省国際エネルギー担当特使・調整官がサウジアラビアを訪問し、エネルギー問題やイラン対応策を中心とした地域政策を議論したと報じていた。

また、訪問先となるイスラエルとサウジアラビアの2国間関係の改善について観測する報道も続いていた。5月28日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙が、イスラエル政府高官のリヤド訪問を報じたほか、5月29日付「グローブス」紙が、イスラエルとサウジアラビアが近日中に大規模な外交会議を開催し、航空協定を含む各種合意を締結する見込みと報じている。

さらに5月30日付「グローブス」紙は、限定的とはしながらも、イスラエル人の企業関係者などがサウジアラビアへの入国を認められたと報じた。一方、同日付の「エルサレム・ポスト」紙は、イスラエルのヤイル・ラピッド外相が「イスラエルはサウジアラビアとの関係改善を望むが、それには時間をかけた慎重な取り組みが必要。(アブラハム合意であったような)サプライズはない」と語ったと報じ、一連の観測報道を鎮静していた。

バイデン大統領の中東歴訪は、当初6月中の実施が想定されていたが、7月に延期されていた。今後、7月の同大統領の中東歴訪に向けて、地域情勢の変化に関わる大きな案件が発表される可能性もあることから、引き続き注視が必要だ。

(吉田暢)

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