新たなエコカー補助金導入、低迷する自動車市場回復の突破口として期待

(イタリア)

ミラノ発

2022年05月23日

5月16日以降に新規購入された低排出車などを対象として、イタリアで新たな補助金が交付される。経済開発省主導の同補助金制度は、4月6日にマリオ・ドラギ首相によって承認され、5月25日から運用が開始される(経済開発省の4月6日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、およびインフラ・運輸省の5月18日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

ANFIA(自動車工業会)が4月に発表した調査外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、イタリアの4月の新規自動車登録台数は9万7,424台で、前年同月比では32.9%減、1月からの4カ月間で前年同期と比較すると26.5%減となった。外国自動車代理店組合(UNRAE)のミケーレ・クリッシ会長も5月2日、一刻も早い新たな補助金制度の運用を待ち望むコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出すなど、2021年に終了した「エコボーナス」に相当する制度の再導入が業界全体で切望されていた。

新制度では2022年から2024年まで各年6億5,000万ユーロ、3年間で総額約20億ユーロが計上されている。乗用車に対する補助金の詳細は以下のとおり(経済開発省の4月6日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

  • 単価3万5,000ユーロ(税抜き)以内のカテゴリM1(注1)の電気自動車[走行1キロ当たりの二酸化炭素(CO2)排出量0-20g / km]購入の場合、3,000ユーロの補助金を交付。また、同時にEUの排出基準「Euro 5(注2)」以下の自動車を廃車にした場合、さらに2,000ユーロが追加で交付される。
  • 4万5,000ユーロ(税抜き)以内のカテゴリM1のプラグインハイブリッド(走行1キロ当たりのCO2排出量21-60g/km)を購入の場合、2,000ユーロを交付。上記同様の廃車条件で2,000ユーロを追加交付。
  • 3万5,000ユーロ(税抜き)以内のカテゴリM1の低排出車(走行1キロ当たりのCO2排出量61-135g/km)を購入し、同時に「Euro 5」以下の自動車を廃車にした場合、2,000ユーロが交付される。

中小企業にもメリット

中小・零細企業が商用電気自動車を購入する際も、新たな補助金制度の対象となる。積載量が3.5トン以下の小型トラックで4,000~6,000ユーロ、同3.5超12トン以下の大型トラックで1万2,000~1万4,000ユーロが交付されるなど、積載量に応じて補助額が決められており、いずれも購入時に一定の条件を満たす廃車をすることが条件となる。

4月6日に、ジャンカルロ・ジョルジェッティ経済開発相は「補助金がすべての解決になるとは言わないが、困難な時期を乗り切るための緊急策となる」とし、「複数年におよぶ措置によって、企業が産業計画を練りやすくなるだろう」とコメント。業界関係者なども、新たな制度の導入に想定よりも時間がかかったことを指摘しつつも、低迷する国内自動車市場回復の突破口になることを期待する声が寄せられている(5月15日付ANSA)。

(注1)人の輸送を目的とし、少なくとも4つの車輪があり、座席は最大8席の車両。

(注2)2009年から導入された欧州の自動車排出ガス規制。詳細は調査レポート「EU 主要国における環境配慮型自動車に関する政策(規制・支援)および技術・市場動向PDFファイル(705KB)」参照。

(平川容子)

(イタリア)

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