中銀が政策金利を1.25ポイント引き上げ8.25%に

(チリ)

サンティアゴ発

2022年05月13日

チリ中央銀行は5月5日に行われた金融政策決定会合で、政策金利を8.25%に引き上げることを決定した。上げ幅は前回会合から0.25ポイント少ない1.25ポイントで、7会合連続の利上げとなった(添付資料図1参照)。金利を8.25%まで引き上げたのは2008年9月以来。

今回も国内のインフレ抑制のための利上げとなったが、中銀は外部要因として世界的なインフレ、原材料価格や食料品価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻の影響、中国のゼロコロナ政策が世界のサプライチェーンの回復にさらなる圧力をかけていることなどを挙げている。

チリ統計局(INE)の5月6日の発表によると、2022年4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前月比1.4%、前年同月比では10.5%となった(添付資料図2参照)。食品・飲料(酒類を除く)の価格がCPI上昇の一因となっており、主食のパンやシリアル、植物油の価格が大幅に上昇し、家計を圧迫している。長引くインフレを受け、生活難に苦しむ国民を救済すべく、ガブリエル・ボリッチ大統領は経済復旧政策(CHILE APOYA、2022年4月13日記事参照)を発表している。

現地エコノミストらは、国内のインフレ抑制のため、今後数カ月は金利の利上げが続くと予想しており、次回の6月7日に行われる金融政策決定会合でも、利上げが見込まれている。

(岡戸美澪)

(チリ)

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