フランス石油大手トタル、米クリアウェイを買収、米国内での再エネ事業拡大に向け

(米国、フランス)

ヒューストン発

2022年05月27日

フランス石油大手トタルエナジーズ(本社:パリ、以下、トタル)は5月25日、米国における再生可能エネルギー事業拡大に向け、再生可能エネルギー企業である米クリアウェイ(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)の株式の50%を、クリアウェイの主要株主である米インフラファンドのグローバル・インフラストラクチャー・パートナーズ(本社:ニューヨーク州ニューヨーク)より取得する契約を締結した。買収額は16億ドルに加えて、トタルの子会社が保有する太陽光発電企業である米サンパワーの株式の49%としており、世界最大の再生可能エネルギー市場の1つである米国において、過去最大規模の買収案件と発表している。

トタルは、本買収により米国の再生可能エネルギーおよび蓄電池市場において主要な地位を確立することになるとしている。同社の米国における再生可能エネルギー事業の総容量は25ギガワット(GW)以上となり、2030年までに世界全体で100GWを達成するという同社目標のうち、25%以上を米国事業で占めることになる。このほかにも、同社は、大規模太陽光発電で8GWのプロジェクトを開発中で、また、洋上風力発電で4GWのプロジェクトを開発する予定だ。

クリアウェイは、既に7.7GWの風力・太陽光発電施設を稼働させているほか、25GWの再生可能エネルギーおよび貯蔵プロジェクトを計画しており、そのうち15GWは開発が進んでいる。

トタルのパトリック・プイヤネ会長兼最高経営責任者(CEO)は「当社は、世界で最もダイナミックな再生可能エネルギー市場の1つである米国市場において、風力、太陽光、蓄電池の事業資産と25GWの事業計画を有しており、全米34州において地理的に幅広くカバーすることで、事業規模を拡大することができる」と述べている。

トタルは再生可能エネルギー拡大に向けた取り組みを進めており、2021年11月30日に米国クリーン・エナジー・フューエルズ(本社:カリフォルニア州ニューポート・ビーチ)と、テキサス州フライオナにバイオメタン生産施設の建設を開始すると発表した(2021年12月2日記事参照)。また、2022年4月27日には、再生可能エネルギー事業拡大に向け、米国コア・ソーラー(本社:テキサス州オースティン)の買収を発表した(2022年5月2日記事参照)。

(沖本憲司)

(米国、フランス)

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