韓国政府、インドネシアのパーム油輸出規制による食品業界への影響調査

(韓国、インドネシア)

ソウル発

2022年05月10日

韓国農林畜産食品部は4月29日、インドネシアによるパーム油の輸出規制に関し、韓国の食品業界への影響は「限定的」と発表した(注、2022年4月28日記事参照)。

韓国では、2021年実績でインドネシア産のパーム油の輸入量は約34万トンで、うち約20万トン分が今般の輸出禁止措置の対象となる(添付資料表参照)。

なお、食品分野では主にマレーシア産のパーム油を年間約20万トン輸入し、即席麺や菓子類など加工食品の製造に使用している。今回、輸出規制の対象となるインドネシア産のパーム油は主に化粧品や洗剤、バイオディーゼルなどに使用される。さらに、主要食品製造企業では、それぞれ2~4カ月分程度の在庫を確保していることから、インドネシアの輸出規制が食品業界に及ぼす影響は限定的とした。

他方、インドネシアによる措置が長期化すれば、パーム油の国際価格の上昇に伴う需給バランスが崩れる可能性もあるため、引き続き食品業界とも意思疎通を図りつつ、サプライチェーンのモニタリングを行う計画だとしている。

(注)韓国では、4月22日にインドネシアによるパーム油輸出規制が発表された直後、国内食品業界が大きな打撃を受けるとの報道がなされていた。

(当間正明)

(韓国、インドネシア)

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