インド、3月のロシアからの輸入は大幅増

(インド、オーストラリア、ニュージーランド、ベトナム)

アジア大洋州課

2022年05月31日

インド商工省は5月13日に2022年4月の貿易統計を発表した。輸出は前年同月比33.7%増の3兆609億ルピー(約4兆8,974億円、1ルピー約1.6円)、輸入は34.0%増の4兆5,926億ルピーとなり、貿易収支の赤字は3,928億ルピー拡大して、1兆5,317億ルピーとなった。現時点では4月の国別詳細統計が確認できないため、ウクライナ軍事侵攻後の統計値として、3月のインドのロシアからの輸入をみると、前年同月比約2.3倍の1,013億ルピーと大幅増となり、3月の世界からの輸入総額の伸び率よりも大きかった。石炭や石油などの鉱物性燃料や肥料などが輸入を押し上げている。

他のアジア大洋州各国のロシアからの輸入額の前年同月比伸び率をみると、オーストラリア(現地通貨ベース)が6.4倍、ニュージーランド(現地通貨ベース)が2.0倍、ベトナム(ドルベース)が95.7%増と大幅増になっている。オーストラリアは肥料、ニュージーランドは木材、ベトナムは石炭が輸入を牽引した。制裁を通じた経済混乱などからロシア産の供給が減少し、価格が上昇していることが背景にある。なお、日本についても、ロシアからの円建て輸入額は液化天然ガスが主導するかたちで、89.2%増加した。

(新田浩之)

(インド、オーストラリア、ニュージーランド、ベトナム)

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