新型コロナによる消費落ち込みの挽回へ江蘇省各市で消費促進活動が活発化

(中国)

上海発

2022年05月30日

上海市に隣接する江蘇省でも、新型コロナウイルス感染拡大が経済にも大きな影響を与えている。消費動向を示す社会消費品小売総額をみると、2022年1~4月期は前年同期比3.7%減の1兆3,650億元(約25兆9,350億円、1元=約19円)、4月単月では前年同月比17.0%減の2,794億元となった。新型コロナ感染拡大などによる個人支出の減少や、高級品への消費意欲の減退などで、金銀宝石、スポーツ娯楽用品、化粧品の小売額はそれぞれ前年同月比31.2%、23.4%、17.7%減少した。また、外出の減少などの影響を受け、自動車、石油・石油製品の小売額もそれぞれ46.2%、13.9%減少した。

落ち込んだ消費の回復に向けて、江蘇省内各地で商品券の発行や消費促進イベントが開催されている。

省都の南京市では4月28日から「2022南京国際消費節」を開催している。期間中は商品券や割引クーポンの発行や抽選などが行われ、優遇金額の規模は20億元を超える。スーパーや飲食店で利用できる商品券が5月20日、30日、6月11日の3回、家電購入に利用できる商品券が7月に発行される。

無錫市は4月30日から、「2022無錫太湖ショッピング節」を開始した。総額5,000万元の商品券を配布する計画だ。中でも無錫市錫山区は5月13日に新エネルギー車の展示会を開催し、総額500万元の自動車購入促進活動を発表した。5月13日から7月31日まで指定販売店で購入手続きを行って頭金を支払った個人は、新エネルギー車で5,000~1万5,000元、ガソリン車で1,000~3,000元分の優遇を受けることができる(「捜狐網」5月25日)。

常州市は5月21日、体育館の使用再開を支持し、スポーツ商品の消費回復を図るため、総額500万元分のスポーツ消費券を発行すると発表した。

連雲港市は5月18日、同市財政から1億元を支出し、同市として過去最大規模の消費促進活動を開始した。1億元の主な支出内訳は、飲食商品券として2,000万元、自動車購入補助として1,000万元、ネット消費補助として800万元、グリーン家電消費補助として750万元。同市は、今回の消費促進活動を通じ、消費額が40億元以上増加することを見込んでいる。

(尹世花)

(中国)

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