天津市、RCEP協定の活用促進措置を発表

(中国)

北京発

2022年05月25日

天津市政府は5月10日、「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の質の高い実施に関する若干の措置」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。天津市の貿易規模の拡大、外資誘致の効率化、ハイレベルな国際協力園区の建設など9分野24項目の措置が盛り込まれた。日本との協力強化に向けた主要な取り組みは以下のとおり。

  • 対日輸出においてRCEP協定に基づく日本側の輸入関税率の引き下げ幅が大きい化学工業製品、食品、衣類、プラスチック製品など、対日輸入において中国側の輸入関税率の引き下げ幅が大きい自動車部品、電気工事機材、建設機械などの電気機械製品、医薬品、食品、化粧品などの日用品について整理し、天津市の輸出入重点商品リストと重点企業リストを作成し、優位性がある製品の輸出入を拡大する。
  • 新素材、新エネルギー、バイオ医薬などの分野において日本、韓国、シンガポールなどの企業を重点的に誘致する。設計、研究開発、物流、金融サービスなど製造業に関連するサービス業分野において、日本、韓国などとの協力を強化する。
  • 多層的かつ多分野の経済協力ネットワークを構築し、天津市の良質な農産品の日本、韓国、ASEAN向けの輸出を促進する。
  • ハイレベルな日中(天津)健康産業協力モデル区を建設し、日本と特定プロジェクトにおける協力を加速し、健康養老製品の生産プロジェクトを誘致する。
  • 天津自由貿易試験区において、RCEP協定に基づく投資、相互認証、原産地声明制度、サービス貿易、越境EC、知的財産権保護などに関する承諾事項について先行して実施し、日中韓自由貿易協定に向けたストレステステトを行う。
  • 日本、韓国の関連地域や仁川などの特殊経済エリアと、医療美容、バイオ製薬、人工知能などの分野における協力を強化し、日中韓の産業チェーン、サプライチェーン、バリューチェーン、販売ネットワークの調整・再構築を促進する。

税関総署によると、天津税関による2022年1~4月におけるRCEP協定を利用した輸出に対する原産地証明書の発給件数は980件となった。また、RCEP協定加盟国からの輸入においては、総額2,000万元(約4億円、1元=約20円)近い」輸入関税が減免された。今後RCEP協定のさらなる活用により天津市と同協定加盟国との貿易拡大が期待される。

(張敏)

(中国)

ビジネス短信 b462170f86d96134