米自動車の平均車齢が過去最高の12.2年に、半導体不足が影響

(米国)

ニューヨーク発

2022年05月26日

S&Pグローバルモビリティー(旧IHS Markitの自動車部門、以下S&P)が5月23日に発表した調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年1月時点で米国の道路を走行するライトビークル(乗用車と小型トラック)の平均車両年齢は、過去最高の12.2年になることが分かった。前年を約2カ月上回り、データが確認できる2011年(平均車齢:10.9年)以降、平均車齢の上昇傾向が続いている。

平均車齢が上昇する背景として、これまでは車両性能の向上など複数の要因が挙げられてきた。S&Pは今回の調査結果に関して、2021年来の世界的な半導体チップ不足などに起因する部品供給の停滞で新車の在庫が大幅に不足し、消費者が買い替えを諦めて手持ちの車両を利用し続けていることが主な要因だとしている。また、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、移動手段を公共交通機関から自家用車に切り替える人が増える一方、買い替え車両として品薄の新車ではなく中古車を求める傾向にあったことも一因だと分析している。なお、平均車齢の上昇は廃棄車両の台数にも表れており、2021年は走行車両台数の4.2%に当たる1,100万台が廃棄され、過去20年間で最低の割合だった。

今後の見通しについて、S&Pの自動車アフターマーケット部門チーフのトッド・キャンパウ氏は「おそらく2024年または2025年まで、平均車齢を上昇させる圧力がかかることは間違いないだろう。その後、新車の供給が需要に追いつき始め、過去の繰り越し需要が満たされた時点で少し下がる可能性がある」(オートモーティブニュース5月23日)と述べ、引き続き部品不足により生産が圧迫されることから、ここ数年は平均車齢上昇の傾向が続くとの見方を示した。

(大原典子)

(米国)

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