沖合石油ガス廃抗サービスの米ヘリックスがアライアンスを買収、メキシコ湾での事業を拡大

(米国)

ヒューストン発

2022年05月19日

米国石油ガス廃抗サービス企業のヘリックス・エナジー・ソリューションズ(本社:テキサス州ヒューストン、以下ヘリックス)は5月17日、米国で同業者のアライアンス・エナジー・サービシズ(本社:ルイジアナ州ホーマ、以下アライアンス)の買収契約を締結したと発表した。買収額は1億2,000万ドルに加え、取引後にアライアンスの事業が一定の業績を上げた際の対価を含めるアーンアウト条項が付加されている。

ヘリックスは、今回の買収を通じてメキシコ湾における廃坑事業でのプレゼンスを拡大したい考え。アライアンスが同湾に保有する浅海域(水深400フィート、約122メートル)における事業資産を加えることにより、ヘリックスの廃坑および現場保守サービス機能を強化し、2022年から2025年までの間に約30億ドルの廃坑費用の発生が予測される北米の廃坑市場への参入強化を目指すとしている。

ノルウェーのエネルギー関係調査会社ライスタッド・エナジーによると、2022年から2030年までのメキシコ湾での廃坑費用で、浅海域が占める割合は46%と半数近くを占めるとされている。さらに同社によると、メキシコ湾の浅海域における石油ガスプラットフォームの解体・廃坑作業への事業者支出は、2022年には4億5,000万ドルを超えるとされている。

ヘリックスのオーウェン・クラッツ社長兼最高経営責任者(CEO)は「海洋石油ガス分野における解体・廃坑市場は近い将来大きく成長すると確信している。今回の買収により、当社が現在提供している深海域での廃坑サービスを補完し、メキシコ湾および全世界における廃坑サービスプロバイダーとしての当社の立場を大幅に強化することが可能となる」と述べている。

アライアンスのオーナーであるスティーブ・ウィリアムズ氏は「当社を浅海域におけるエネルギーサービス企業として確立するために、事業や資産の買収・開発に成功したことが、深海域でのエネルギーサービスにおける業界標準と目されるヘリックスとの合併につながった。両社が顧客にもたらすことのできる付加価値に期待している」と述べている。

(沖本憲司)

(米国)

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