マニラ首都圏、6月4日から最低賃金引き上げ

(フィリピン)

マニラ発

2022年05月27日

フィリピン労働雇用省(DOLE)の5月14日付発表によると、マニラ首都圏・地域賃金生産性委員会は首都圏を対象に、最低賃金を33ペソ(約79円、1ペソ=約2.4円)引き上げる賃金通達を出した。非農業部門の最低賃金(日給)は570ペソ、農業部門は同533ペソに上がる。賃金通達は一般紙への掲載15日後に発効することとなっており、6月4日に発効する予定。前回、民間事業者で勤務する労働者を対象として、マニラ首都圏の最低賃金が引き上げられたのは2018年11月だった。

DOLEによると、生活必需品や日用品、石油製品の価格が急激に上昇していることを考慮し、最低賃金で労働する者の購買力を回復するために今回の最低賃金引き上げに至ったという。DOLEは、これによって約100万人の低賃金労働者への支援につながると推計している。なお、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率(インフレ率)はフィリピン全体で4.9%、マニラ首都圏では4.4%だった。

各地でも賃上げの動き

DOLEは5月14日、西ビサヤ地方の最低賃金について、事業所規模が10人超の工業・商業部門の最低賃金を55ペソ(新たな最低賃金の日給は450ペソ)、事業所規模が10人以下の工業・商業部門は110ペソ(同420ペソ)、農業部門は95ペソ(同410ペソ)引き上げる賃金通達が出たと発表した。同賃金通達は6月5日に発効予定だ。また、DOLEは5月18日、イロコス地方やカガヤン・バレー地方、カラガ地方でも最低賃金が引き上げられる予定だと明らかにした。

(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)

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