電気自動車の輸入関税減免にかかる財務省告示が発表

(タイ)

バンコク発

2022年05月13日

タイ財務省は4月22日付告示にて、バッテリー電気自動車(BEV)の完成車に対する輸入関税の減免措置を発表し、5月3日付の官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載された。5月4日から2023年12月31日までに輸入されるBEV(最大10席まで)が対象。小売価格や自由貿易協定(FTA)利用の有無などによって、以下のような関税減免措置の適用を求めることが可能だ。

1.小売価格が200万バーツ(約760万円、1バーツ=約3.8円)以下のBEV

  • FTAを利用した上で関税率が40%以下:関税免除
  • FTAを利用した上で関税率が40%超:関税率から40パーセントポイント削減
  • FTAを利用せず輸入された場合(一般関税率80%):関税率40%を適用

2.バッテリー容量が30キロワットアワー(kWh)以上で、小売価格が200万バーツ超~700万バーツ以下のBEV

  • FTAを利用した上で関税率が20%以下:関税免除
  • FTAを利用した上での関税率が20%超:関税率から20パーセントポイント削減
  • FTAを利用せず輸入:関税率60%を適用

上記特典を利用してBEVを輸入する事業者は、事前に物品税局から適格証明書を取得し、同局が定める条件PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を遵守する必要がある。条件の例として、輸入者としての適格性やBEVの特性のほか、輸入したBEV1台ごとに2024年12月31日を期限としてBEV1台を国内生産する要件(注)、2026年1月1日からBEV生産に国産バッテリーを使用する要件、記録の報告・保存などが挙げられる。

違反した場合は適格証明書が取り消され、特典の利用権が失効する。輸入者は適格証明書が取り消された日から30日以内に関税の支払いを申請し、関税評価通知を受け取った日から30日以内に関税を納付する必要がある。ただし、FTAを利用して輸入した場合は、特典の利用権は失効しても、FTAによる関税減免措置は享受する資格がある。

また、輸入者は上記の特典を利用するにあたり、2022年5月6日付税関通達第63/2565号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで定められた規則と手続きも遵守する必要がある。物品税局が発行した適格証明書や(FTAを利用する場合は)原産地証明書の提出などルールが定められている。

(注)必要に応じて期限を1年間延長(2025年12月31日まで)できるが、その場合、輸入したBEV1台につき、BEV1.5台を国内生産する必要がある。

(北見創、シリンポーン・パックピンペット)

(タイ)

ビジネス短信 81ff30bd2acf8295