韓国銀行が経済見通しを公表、2022年のGDP成長率は2.7%に

(韓国)

ソウル発

2022年05月31日

韓国銀行(中央銀行)は5月26日、2022年の経済成長率が2.7%、2023年が2.4%になるとの経済見通しを発表した(添付資料表参照)。概要は以下のとおり。

1.経済成長率

最近の国内外の環境の変化を踏まえ、経済成長率は2022年が2.7%、2023年が2.4%になる見通し。国内経済は、中国の都市封鎖、ウクライナ情勢など対外環境の悪化が下押し要因となるものの、防疫措置の緩和などに支えられ、回復が続くと見込まれる。主な需要項目別には次のとおり。

  • 民間消費は、社会的距離確保措置の解除、所得の改善に支えられ回復が続く見通し。
  • 設備投資は、供給の停滞などで調整が続いたものの、緩やかに回復する見通し。
  • 建設投資は、原材料価格の上昇で当分は不振が続くものの、下期は緩やかな改善に向かう見通し。
  • 物品輸出は、海外主要国の成長鈍化、中国の都市封鎖の影響で増加基調は次第に鈍化する見通し。

2.就業者推移

就業者数は2022年に58万人、2023年に12万人増加する見通し。このうち、サービス業の就業者数は、防疫措置の緩和などにより対面型サービス業を中心に次第に回復に向かう見通し。

3.消費者物価

消費者物価上昇率は2022年が4.5%、2023年が2.9%となる見通し。原材料価格の上昇、供給停滞の深刻化、社会的距離確保措置の解除などで物価上昇圧力が大きく増大し、消費者物価上昇率はこれまでの予測値を大きく上回る見通し。

4.経常収支

経常収支の黒字規模は2022年に500億ドル、2023年に540億ドルとなる見通し。原材料価格の上昇で貿易収支の黒字が昨年と比べ大幅に減少することが予想される。

(当間正明)

(韓国)

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