上海市で新型コロナ感染者数は減少も、物流面の影響は高止まり

(中国)

上海発

2022年05月17日

上海市では、新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあり、経済活動の正常化を進める動きも出ているが、物流面には依然として大きな影響が出ている。

海運大手の中国遠洋海運集団(COSCO)の辜忠東副総経理は「最も困難に直面しているのは、長江デルタの道路輸送が阻害されている点だ。そのため、陸上輸送から水運に切り替えを速やかに行い、輸出コンテナに関しては、江蘇省太倉港と南通港から上海の外高橋港、洋山港に海上輸送することで、物流の深刻な停滞を緩和している」と述べた(「第一財経」5月11日)。

世界の海運大手でデンマークに本社を置くマースクは5月9日、上海を取り巻く物流サービスへの対応について、以下のとおり発表した。

  • 輸入冷凍貨物の上海港への受け入れについて、予約受け付けを再開するが、受け付け予約分の貨物の上海到着は6月26日以降。
  • 上海市内の倉庫作業については部分的に再開。
  • 上海市内外を行き来するトラックサービスは、上海市のロックダウンによる影響を受けている。上海と近隣都市間の輸送の代替案として、バージ輸送または鉄道によるマルチモーダルサービス(注1)を提供することが可能。

中国国家統計局と中国物流購買連合会が4月30日に発表した4月の製造業購買担当者指数(PMI)は、好不況を判断する節目の50を2カ月連続で下回る47.4となった。中でもサプライヤー配送時間指数(注2)は37.2と、初期の新型コロナ感染拡大期の2020年2月の32.1に次ぐ低さとなり、製造業の原材料のサプライヤーからの納品時間が著しく遅くなったことを示している(添付資料図参照)。

経済メディアの「上海証券報」は5月9日、新型コロナウイルス感染拡大による上場企業への影響に関し、主に長江デルタ地域の上場企業667社の回答に基づく調査結果を発表した(2022年5月16日記事参照)。

主に影響を受けている分野については、72.4%が「物流の影響によるサプライチェーン寸断」、62.8%が「人の移動が制限され、生産・研究開発・販売が停滞」、32.2%が「防疫対策による生産停止」と回答(添付資料表参照)。物流面での影響が最も大きくなっている。

(注1)マルチモーダルサービスとは、複数の輸送手段を連携させて、利用者のニーズに合致した効率的輸送方法を提供するサービス。

(注2)サプライヤー配送時間指数とは、サプライヤーから供給される時間の長さを表したもので、50を基準値として、時間が長期化すると指数は低下する。

(高橋大輔)

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