カナダ、ウクライナからの輸入関税を1年間撤廃予定

(カナダ、ウクライナ)

トロント発

2022年05月12日

カナダ財務省は5月8日、ウクライナの経済回復を支援するため、同国からカナダへの輸入品に賦課される関税を1年間撤廃する予定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますであることを明らかにした。ジャスティン・トルドー首相は同日、ボロディミル・ゼレンスキー大統領との会談を受け、関税を一時的に撤廃する意向を示していた(2022年5月12日記事参照)。

同省は、今回の発表に至った背景として、ウクライナの経済や同国の輸出がロシアの攻撃によって多大な影響を受けていることを挙げた。カナダの法制化手続きの1つである枢密院勅令が承認、公告した時点で正式に発効する予定で、その後、カナダ国境サービス庁が輸入業者に対して、免税措置の適用内容を通達する。

カナダとウクライナは2017年に自由貿易協定を発効させており、ほとんどの品目は無税でカナダに輸入されるものの、無税の適用対象外となる品目、あるいは段階的に関税が撤廃される品目が存在する。2019年から2021年にかけて、ウクライナからカナダへの輸出額は年平均1億7,080万カナダドル(約171億円、Cドル、1Cドル=約100円)で、カナダはこうした品目から約260万Cドルの関税を徴収している。

(飯田洋子)

(カナダ、ウクライナ)

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