英保険業の活性化に向け、EU離脱前規制の見直し案に関する意見公募開始

(英国)

ロンドン発

2022年05月06日

英国政府は4月28日、EU諸国における保険業の規制調和を目的としたEU指令「ソルベンシーII」に基づいて定められている現行規制の見直し案について、意見公募外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(詳細は英国政府サイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を開始した。英国の保険業の活性化に向けてEU離脱(ブレグジット)による利益を生かすことが狙い。見直しにより、契約者の保護水準を維持しながらも、手続きを簡素化して投資を促すほか、新たな保険業者の参入を促し、消費者の選択肢を広める考えだ。公募期間は12週間。健全性規制機構(PRA)も同日、今回の見直しに関する見方を示したディスカッションペーパー外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表。PRAは今後、独自の意見公募を発表する予定となっている。

主な見直しの内容として政府は以下を挙げている。

  • 長期の生命保険を提供する事業者が確保すべきリスクマージン(注1)の削減。また、その他の保険業者に対するリスクマージンの適切な水準設定。
  • マッチング調整(注2)でクレジットリスクに対する感応度を向上。
  • 保険業者によるインフラなど長期資産への投資を可能にし、柔軟性を向上。
  • ソルベンシーII制度の適用対象となる保険業者の規模に関する閾値を高めて対象となる企業を削減するなど、企業の報告・手続きに関する負担を削減。
  • 新規の保険業者の市場アクセス向上に向け、EUから継承した法制の改革を実施。

財務省の推定によると、今回の改革を通じ、生命保険会社が確保している資産の10~15%が自由に使えるようになり、数百億ポンド(1ポンド=約161円)規模の長期的かつ生産的な投資につながる可能性があるとされている。

(注1)保険業者の最良推定した(ベストエスティメイト)負債とその負債の市場価格の差。

(注2)金融庁によると、資産と負債のマッチング、区分管理などの要件が満たされた場合にリスクフリー・レートへの調整を加えられる措置。

(山田恭之)

(英国)

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