行政院組織法修正案を閣議決定、6部会の組織改編、気候変動・対外通商政策などへの対応強化

(台湾)

中国北アジア課

2022年05月13日

台湾行政院は5月5日、「行政院組織法」の一部改正を含めた、6つの部会(日本の省庁に相当)に対する組織改編(注1)と関連法改正案を閣議決定した。改正案には、農業委員会の農業部への昇格、環境保護署の環境部への昇格、原子能委員会の核能安全委員会への変更、内政部、交通部、経済部の組織改編が含まれる。法案は今後、立法院(国会に相当)で審議される。

環境保護署の環境部への昇格に関し、行政院の蘇俊栄人事行政総処は「環境政策に合わせ、これまでの汚染管理・制限から汚染予防管理へと体制を切り替えると同時に、空気汚染予防管理体制や資源循環などのテーマを重視する」と述べた(「中時新聞網」5月5日)。また、環境部の下部組織には気候変動署(注2)、資源循環署、環境管理署などを新設すると発表した。

陳吉仲農業委員会主任委員(大臣に相当)は農業委員会の農業部への改編について、「農業委員会の農業部昇格は長期的に期待されていたことだ。将来的には、農業部の管轄下に8つの司(局)、6つの処、8つの三級所属機関(署やセンター)、7つの試験研究機関を置く方針」と述べた(「中時新聞網」5月6日)。

経済部は、5部署の新設など大幅な組織改編が行われる。新たなビジネスモデルに応じた各種支援策の需要増加を受け、商業司を商業発展署に昇格させる。工業局がこれまで担っていた産業支援に係る大部分の業務は、新設される産業発展署に移管、科技産業園区などの管理などは産業園区管理局に移管される。対外通商政策などを担う国際貿易局は対外的な政策企画力の強化のため、国際貿易署に昇格するとともに、国際合作処と貿易調査委員会が組み込まれる。能源局は能源署に昇格し、エネルギー比率の見直しや再生可能エネルギーなどの政策企画などを担当する。中小企業処は中小及新創企業署に昇格し、中小企業・スタートアップなどの発展を担う。

今回の組織改編に関する閣議決定の説明は、行政院のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますから視聴できる。

(注1)今回の組織改編は、2010年に立法院を通過した行政院組織法改正案に基づくもの。改正案では、行政院管轄の37部会を29部会に再編することが明記し、2012年から組織改編を行っている。

(注2)中国語の名称は「気候変遷署」。

(北野真瑞)

(台湾)

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