第1四半期GDP成長率は前年同期比2.2%、2022年通年見通しは下方修正

(タイ)

バンコク発

2022年05月20日

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)は5月17日、2022年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率が前年同期比2.2%PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)だったと公表した。2021年第4四半期(10~12月)の1.8%からプラス幅が拡大した。

需要項目別でみると、個人消費支出は3.9%増となり、前期(0.4%増)から増大した。新型コロナウイルスにおける政府の規制措置が緩和されたこと、政府の講ずる景気刺激策、外国人観光客数の増加や、タイ人の旅行者数の増加が拡大に寄与した。しかし、高いインフレ率、特にエネルギー、生鮮食品、インスタント食品などの価格高騰などが今後の懸念材料とした。

総固定資本形成は0.8%増で、前期(0.2%減)からプラス成長に転じた。民間投資が2.9%増と前期(0.8%減)から拡大。住宅建設などの建設投資は減少するも、乗用車やトラックなど、輸送用機器の需要増加にともなう関連設備への投資や、路線鉄道プロジェクトに関する投資が拡大した。 他方、政府投資は4.7%減となり、前期の1.7%増からマイナスに転じた。道路、橋、その他建設などの政府プロジェクトの減少がマイナス要因となった。

物品輸出額は12.0%増と、前期(17.6%増)に引き続き拡大。砂糖、パームオイルなどの農産物や、コンピュータ部品および付属品、電気部品、家電製品、金属、機械、化学製品などが拡大に寄与した。新型コロナウイルスにおける規制緩和の進展も、拡大の一因となった。

NESDCはまた、2022年の実質GDP成長率見通しを2.5%~3.5%PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)とし、2022年2月の見通し(3.5%~4.5%)から下方修正した。しかし、国内需要の改善、観光産業の回復、好調な輸出などが支援材料となり、引き続きプラス成長になると予測した。

(岡本泰)

(タイ)

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