自動運転技術開発企業が広州市でタクシー営業許可を取得、全国初とアピール

(中国)

広州発

2022年05月11日

自動運転技術開発企業の小馬智行(Pony.ai)は4月24日、広東省広州市交通運輸局から同19日付でタクシー事業の営業許可を取得、広州市の基準を満たした自動運転車輌を用いたタクシー事業の営業が許可されたと発表した。同社によると、自動運転車両を用いたタクシー事業の営業許可は全国で初となる。営業許可範囲は広州市南沙区全域(803平方キロメートル)。同区域内で自動運転車両100台を用いたタクシー事業の展開が認められた。

業界関係者によると、2022年4月時点で、中国で自動運転タクシーの小規模な試験営業走行を認めている都市は北京市と広州市の2都市のみ。今回許可されたのは、完全無人運転ではなく、運転席にセーフティードライバーが同乗するかたちでの無人運転だ。Pony.aiは、「自動運転車両に対して、一般車両と同様、既存のタクシー管理規定を適用できるようになったことは、自動運転技術の商用化における重大なブレイクスルーとなる」とコメントしている。

無人運転に対する規制緩和も進む

北京市ではタクシー以外の無人運転についても規制が緩和されている。北京市経済開発区は4月28日、自動運転技術開発企業の百度(Baidu)、Pony.aiの2社に対し、同区の特定エリア(60平方キロメートル)において、全国で初めてドライバーなしの乗用車の走行を許可したことを発表した。北京市ハイレベル自動運転モデル区工作弁公室の孔磊主任(北京市経済開発区管理委員会副主任)は、「今回の許可範囲は助手席にセーフティードライバーが同乗する前提の無人運転だ。現在、先行区(注)では既に無人運転政策の最終段階である、車内にセーフティードライバーがいない完全無人運転形式の政策を研究している。将来的には、セーフティードライバーによる遠隔運転を通じて完全無人運転を実現する」と述べた。

(注)北京市は、市内においてインテリジェントコネクテッドビークルの運転などを政策的に先行させるエリアを設けている。

(汪涵芷)

(中国)

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