英国、安保関係強化に向けスウェーデン、フィンランドと宣言発表

(英国、北欧、ロシア、ウクライナ)

ロンドン発

2022年05月12日

英国のボリス・ジョンソン首相は5月11日、スウェーデンのマグダレーナ・アンデション首相と会談し、「連帯に関する政治宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表した。概要は以下のとおり。

  • 欧州の安全保障秩序の地位や保全の原則を保護し、その原則を損なう、または変更する試みは認めず、違反に対する説明責任を要求する。
  • サイバー攻撃、組織犯罪、越境テロリズムのほか、平和や安全への気候変動の影響など、国際安全保障環境に影響を与える課題や脅威に協力して立ち向かう。
  • 両国はロシアのウクライナ侵攻に伴う安全保障の状況悪化という共通課題に直面。両国はNATOとスウェーデンの間での緊密な政治対話や実務協力に関して利益を共有する。
  • 防衛、安全保障協力の発展に向けた取り組みについては、両国の相互運用性の改善やさらなる連携強化に向け新たなイニシアチブを探求する。
  • 一方の国が災害や攻撃を受けた場合、もう一方の国は要請に応じて軍事的な手段を含むさまざまな手段で支援する。

ジョンソン首相はその後、フィンランドのサウリ・ニーニスト大統領とも会談し、共同宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。声明ではロシアの侵攻を非難したほか、フィンランド側はバルト海地域の安全保障への英国の強力なコミットメントを歓迎、英国側は、バルト海地域・北欧、その他の地域の安全保障に果たすフィンランドの役割を歓迎、同国がNATOへの加盟申請を決定した場合、北大西洋地域の安全保障にも貢献することになるとした。英国は、フィンランドが安全保障における利益を共有しているとして、必要なあらゆる手段で支援に取り組む用意があるとした。また、スウェーデンとの声明と同様、一方の国が災害や攻撃の影響を受けた場合、要請に応じて他方の国が支援を行うことを確認した。このほか、情報共有やデータ保護の強化、サイバー脅威への対抗に向け協力して取り組むとした。

北欧4カ国が防衛協力強化に関する声明を発表

同日には、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーの防衛相、アイスランドの外相が会談、北欧の防衛協力強化に関する声明を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。ロシアの侵攻が欧州の防衛・安全保障政策を根本的に変えたとして、これまで以上に北欧諸国の連帯と防衛協力が重要とした。各国は社会全体でのアプローチを通じて協力しなければならないとし、国境を越えた軍民協力強化を目指すとした。

(山田恭之)

(英国、北欧、ロシア、ウクライナ)

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