川崎フロンターレ、タイでサッカー教室を開催

(タイ)

バンコク発

2022年05月30日

Jリーグディビジョン1(J1リーグ)に所属する川崎フロンターレが5月22日、バンコクにてサッカー教室を実施した。同チームの海外事業担当者によると、今回のサッカー教室はスポンサー企業と共同で実施したもので、タイ国内でのサッカーの普及だけでなく、サッカー教室を通じた日本企業の活動支援も目的にしているとのことだ。具体的には、タイでのサッカー人気を背景に、サッカー教室などの活動を通じ、スポンサーである日系企業についても、タイ人に情報発信をしていくことが想定される。

写真 バンコク都内で開かれたサッカー教室の様子(ジェトロ撮影)

バンコク都内で開かれたサッカー教室の様子(ジェトロ撮影)

川崎フロンターレには、2022年よりタイ人のチャナティップ・ソングラシン選手が所属している。タイ人向けにYouTubeでリアルタイム配信された同チームの試合は、視聴者がLIVE視聴で20万人、総視聴数は100万を超えるなど、タイ国内でも注目さている。

担当者によると、「在タイの日系企業およびローカル企業とも協力を行い、サッカー教室以外の活動も含め、川崎フロンターレおよび協力企業の活動支援となるような取り組みを今後も行っていきたい」とのことだ。

川崎フロンターレの所属するJリーグは、2012年からアジア戦略としてASEAN各国のサッカーリーグとの交流を図っている。2022年にタイでは、YouTubeだけでなく地上波でも試合の放映が予定されており、今後もタイでの日本サッカーの認知度は向上すると考えられている。

写真 タイにおけるJリーグの放映アナウンス(J.League提供)

タイにおけるJリーグの放映アナウンス(J.League提供)

サッカー人気の高いタイ市場、スポーツ支援でブランドの魅力が向上

米国の調査会社ニールセンの2018年の報告書によると、タイでは人口に占めるサッカーに「非常に関心がある」または「関心のある」人の割合は78%となっており、世界で2番目に高い。また、同社の2021年の推計によれば、タイでは同年に人口の84%がスポーツを視聴し、2,000万人以上がスポーツの試合観戦に行ったという。また、タイの観客の65%は、スポーツを支援するブランドに魅力を感じているという調査結果もある。

日本のスポーツ庁が2021年に実施した調査によると、日本企業のスポーツビジネスの海外展開先として、タイは世界で最も関心を集めており、タイのサッカーに関連した日本企業の取り組みが今後も増えそうだ。

(平林拓朗)

(タイ)

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