米国への入国には搭乗1日前までの新型コロナ感染検査が必要

(米国)

ニューヨーク発

2022年05月06日

米国への新型コロナウイルス関連の入国手続きの最新動向として、5月3日時点の情報を以下のとおり紹介する。

1.入国前に準備すべき書類・手続きなど

米国への入国に際しては、米国籍や永住権の有無を問わず、搭乗当日または1日前に受けた新型コロナウイルス感染検査の陰性証明を航空機搭乗前に提示することが求められている。仮に以前に感染して回復した場合には、過去90日以内に回復した証明を代わりに提示する。陰性証明書には既定の書式はないが、当地の旅行代理店によると、搭乗前に提出の際、パスポート番号と生年月日の記載を確認されるため、記載されていない場合は前もってこれらの情報を記入することを勧めている。

また、米国籍や永住権を持たない外国人の場合、例外を除き、世界保健機関(WHO)が承認しているワクチンの接種完了者のみ入国を認めている外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。接種完了者とは、1回の接種で完了とされるジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製ワクチンは1回目の接種から、それ以外のワクチンは2回目の接種から少なくとも14日が経過した者としている。

渡航者は全員、滞在先住所や連絡先を記入したフォームと署名入りの誓約書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を航空会社に提出する義務がある。体験者によると、当日、空港では記入用フォームは配られなかったという。航空会社によって、オンライン上での申請ができない場合には、念のため印刷した書類を各自持参するとよい。なお、米国では、渡航者に関するこれらの情報を航空会社が米国連邦政府の代理人として受け取ることが義務付けられており、記入フォームなどは航空会社によって異なる。現在、これらの事前登録は、日本航空(JAL)の場合は「VeriFLY外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で、全日本空輸(ANA)の場合は「ANA Travel Ready外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で済ませることができる。

2.入国手続きの手順

米国では、到着後の感染検査義務や追跡アプリ登録など、新型コロナに関連した特別な入国手続きはない。体験者の話では、入国前の書類準備が多い半面、到着後は問題なくスムーズに移動することが可能だ。

3.入国後の必要手続き・行動制限

入国後は、ワクチン接種完了者でも、追加接種を受けていない場合は、自宅または滞在先で5日間自己隔離することが米疾病予防管理センター(CDC)から推奨されている。さらに、追加接種の有無を問わず、米国入国者は全員、到着から3~5日後に感染検査を受けることが推奨されている。米国では渡航者に対する行動制限はない。

米国内の公共交通機関構内のマスク着用は、4月18日以降、米国運輸保安局(TSA)が法的に利用者に対して義務付けることはなくなったものの、CDCは、引き続き構内や機内で着用することを推奨している(2022年4月22日記事参照)。

4.留意点

到着後、CDCが定めている、郡単位3段階の新型コロナウイルス感染リスクのガイダンス(2022年2月28日記事参照)で、リスクが「高い」地域に滞在する場合は、公共の屋内でのマスク着用が推奨されている。その他、地域の感染拡大状況に応じて、州や郡単位で規制や推奨内容が異なる場合があるため、米国の州・準州別の渡航規制関連情報ページを確認するとよい。

以上は5月上旬時点の情報に基づいており、5月3日の執筆時点以降、同様の対応が取られるかは未確認であることに留意を要する。

(吉田奈津絵)

(米国)

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