習国家主席、ウクライナ情勢は自らの方法で和平推進と主張

(中国、ロシア、ウクライナ、EU、ドイツ)

北京発

2022年05月12日

中国の習近平国家主席は5月9日午後(中国時間)、ドイツのオラフ・ショルツ首相とオンライン会談を行った。双方の協力やウクライナ情勢について意見を交わした。

習国家主席は、現在の国際情勢は複雑に変化しており、グローバルな安全保障、発展が直面する困難と問題が著しく増加しているとした。その中で、中国とドイツの関係の健全で安定した発展を保ち、安定的、建設的、先導的役割を発揮することが特に必要であり、これは世界の平和と安定にとって重要な貢献になるとした。

習国家主席は、両国は気候変動やマクロ経済政策、金融の安定、エネルギー安全保障、食糧安全保障、産業チェーン・サプライチェーンの安定などの分野で対話を行い、両国関係の意味を不断に豊かなものにすべきとした。また、グリーン・環境保護、サービス貿易、人工知能、デジタル化などの新たな技術分野での協力を積極的に行うべきだとし、中国はドイツを含めた各国に、さらに大きな市場とチャンスを提供するとした。

ウクライナ情勢について、習国家主席は、中国は一貫して平和の側に立ち、物事自体の是非により、独立して自主的に判断し、一貫して自らの方法で和平を勧め対話を促し、事態の沈静化を促進してきたと主張した。

また、衝突が激化、拡大して取り返しのつかない状況を招くことを全力で回避しなければならないとし、欧州は歴史的責任を担い、政治的知恵を示し、欧州の長期的な安定に目を向けて、責任を持った方法による問題解決を推進すべきだとした。

その上で「中国は、欧州が和平を進める中で積極的な作用を発揮し、均衡が取れた、実効性のある、持続可能な欧州の安全保障の枠組みを構築することを支援する。中国は国際社会の和平に有効な一切の努力を歓迎する。各方面はウクライナ・ロシアの双方が対話を通じて和平を実現することを支援すべきだ」とした。

新華社は今回の会談について「中国は、団結と協力を促進し、平和と安定を維持するという責任ある大国の役割を示し、中国・ドイツ・欧州が手を携えて協力を前進させるための貴重な動力を注入した」と評論した(「新華網」5月10日)。

(河野円洋)

(中国、ロシア、ウクライナ、EU、ドイツ)

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