上海市、資源節約と循環経済の「14・5規画」発表、プラスチック削減も

(中国)

上海発

2022年05月18日

上海市政府は5月9日、「上海市資源節約・循環経済発展第14次5カ年規画外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(滬府弁発〔2022〕6号)を発表した。規画では、エネルギー資源消費の強度と総量を合理的にコントロールし、高炭素エネルギーの割合を持続的に低下させるとした。また、資源の産出と循環利用の効率を絶えず向上させ、循環型産業と社会システムを形成し、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルの目標の実現に向け、有力なサポートを提供するとした。

規画が提示した主な指標は以下のとおり。

  • 2025年までに、単位生産総額当たりのエネルギー消費を14%減少させ、エネルギー消費総量を合理的にコントロールする。
  • 2025年までに、非化石エネルギーがエネルギー消費総量に占める割合を20%前後に達するよう努力する。第14次5カ年規画の期間(2021~2025年)に石炭消費量を5%前後減少させる。
  • 第14次5カ年規画の期間に社会全体の主要資源の産出率(注)を20%前後上昇させる。2025年までに主要廃棄物のリサイクル率を92%前後とする。

これに加え、主要任務として、以下の数値目標を掲げている。

  • 2025年までに、一次エネルギー消費に占める石炭の割合を30%以下に低下させる。一次エネルギー消費に占める天然ガスの割合を17%前後に引き上げる。沿岸部の海上風力発電基地の建設を加速させ、180万キロワット(kW)規模の風力発電の新規建設を目指す。太陽光発電の農業、上海市関連施設などの分野での標準的運用を推進し、新たに270万kW規模の増設を目指す。
  • 2025年までに、市街地の軌道交通と市郊外の鉄道の運営総距離を960キロに到達させ、中心市街地の公共交通機関による移動割合を45%以上に高める。
  • 生活ごみ処理施設の整備を加速させ、生活ごみの埋め立てゼロを実現する。2025年までに、生活ごみの焼却能力は1日当たり2万9,000トン、生ごみの資源化利用能力は同1万1,350トンとする。

このほか、スーパーや飲食店、ホテル、郵便宅配などの重点分野で率先してプラスチック削減の活動を展開し、要求に合致しない使い捨てプラスチックの生産、販売、使用を厳しく禁止し、エコバッグや繰り返し使用できる輸送用のバッグなどの代替製品を普及させるとしている。

(注)主要資源の産出率(元/トン)=域内総生産(億元)÷主要資源の実物消費量(億トン)。主要資源とは、化石エネルギー(石炭、石油、天然ガス)、鉄鋼資源、非鉄金属資源(銅、アルミニウム、鉛、亜鉛、ニッケル)、非金属資源(石灰石、リン、硫黄)、バイオマス資源(木材、穀物)。

(高橋大輔)

(中国)

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